2010.12.21 [ ジビエいろいろ ]
ドイツ人留学生によるシカ肉料理を味わう会:松本市
去る12月15日
松本市中山にて
「ドイツ人留学生によるシカ肉料理を味わう会」
が、開催されました。
この会は、 喜源治 の 小松弓子 さんが主催されました。
そこで、この会に参加された方に当日の様子をレポートしていただきました。
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主催者の 小松弓子 さんに御話を伺ったのですが、
「喜源治」のある松本市の中山地区は
これまで本当にシカの食害に頭を悩ませておりました。
地区では、昨年j市の事業で、10km近くにわたって山すそに柵が設置されました。
ただこれですべてが解決したわけではありません。
やはりこれだけ増えすぎている以上
その数を減らすことはやむを得ず・・・・・
でも殺さざるを得ないのであれば、せめていただけるところは
ありがたく頂戴しよう、
それが供養にもなるから、
ということでシカを食べる取り組みを始められていらっしゃいました。
そして、そのシカを食べる取組を進めているうちに
ドイツ人の留学生、ローニーさんと出会われたのだそうです。
ロー二―さんによると、ジビエというとフランスがまず頭に浮かびますが、
シカ肉に関して言えば、ドイツが本場なのだそうです。
ローニーさんは男性ですが、とても料理上手で
両親から教わったという見事なシカさばきで調理してくださいました。
日本料理と比べると実にシンプル。
そして最高級というシカ肉料理を堪能するべく、
あえてそのシカ肉らしさ、野生肉らしさを生かします。
匂いも消さずに、それを際立たせる香辛料を使い、
筋や膜は丁寧に取り除きますが、赤身の部分を塊で使います。
今回は焼いてから蒸す、という調理方法でした。
旨みが逃げないのだそうです。
そして骨を煮込んでフォンドボーをつくり、それがソース。
付け合せはニンジンとグリンピースをゆでて少し塩味がついたもの。
主食はジャガイモ。
日本のものは崩れやすいそうで、
ドイツのジャガイモはもっと固くてしっかりしているそうです。
これがワンプレートに盛り付けられます。
最初にいただくほうれん草のスープと、このワンプレートのお料理、そしてデザート。
シンプルですが、とても満足感のあるお食事でした。
今回は学生のローニーさんを応援する、という意味もあり開催しましたが、
野生の肉をいただけるという贅沢を最大限に演出するドイツの文化に
増えすぎたから、害があるから減らせ、殺せ、という今の日本の現状が
なんとも短絡的な発想であると、改めて感じました。
人災で増えた鹿を、それでも仕方なく殺すのであれば、
せめてその命を感謝していただくことをしていきたい、
なるべく廃棄する部分を減らし、あますことなく使い切りたい。
そんな思いを強く抱きました。
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担当Sです。
「いただきます」
は
“命”をいただく
そんな言葉を思い起こしました。
シカの問題は非常に深刻です。
密度により被害が出る、という非常に悩ましい加害形態をとる困った動物です。
されど、命は命、大事に向き合いたいです。
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