4月15日に諏訪大社上社で執り行われた御頭祭(おんとうさい)、前々から一度は見たいと思っていたのですが、ようやく見学出来たのでその様子をお伝えします。
早速報告と行きたいところですが、まずは御頭祭がどんな神事なのか触れます。
御頭祭は鎌倉時代から続く最も古い神事のひとつと言われ、五穀豊穣や狩猟への願いと感謝を込めて行われる神事で、上社の年中行事の中で最も重要とされている神事です。
上社は本宮と前宮の2つに分かれていますが、中世まで祭政を行った政庁の場が前宮であったことから、古くから行われてきた神事は今でも本宮ではなく、前宮の十間廊(じっけんろう)で執り行われています。
(御頭祭当日の上社十間廊)
かつて御頭祭は大祝(おおほうり、生き神として大社頂点の神職に位置した人)の代理である「神使(おこう)」が近隣の郷を巡回して五穀豊穣を祈願するために、大社から出立する時の儀式とされていました。
当時の御頭祭では大祝が十間廊の上段に着座して神事を行っていましたが、明治5年の神官世襲制度の廃止により、大祝や神長官(じんちょうかん)の神職が廃止されてしまいました。
生き神であった大祝が不在となっては神事が成り立たないことから、大祝の代役として本宮の御霊代(みたましろ)を前宮に御渡して神事を行う、現在の形が出来上がったと言われています。
御頭祭が行われる前宮は、本宮から1.5キロほど離れた場所になるため、本宮の御霊代は神輿に乗って一日遷座をしますが、その御霊代を乗せた神輿が大祝の代役となります。
(御霊代を乗せた神輿)
さて、いよいよここから神事となります。
午後1時の少し前、諏訪大社本宮の境内に宮司や氏子総代など大勢の関係者が集まり、御頭祭が始まりました。
御霊代は神輿に移され、雅楽が奏でられる中、行列となって前宮へ向かいます。
その行列は大勢の関係者に観光客も加わって、200m近くの長さに及ぶ大行列です。
普通に歩けば本宮から前宮までは20分くらいの道のりですが、御頭祭では行列が前宮に到着するまで1時間近くの時間がかかりました。
前宮までは県道を片側通行止めにして行列するため、道中は車も大渋滞でした。
今回はここまでです。
次回は十間廊での神事の様子をお伝えします。お楽しみに。(4/28更新予定)
●信濃國一之宮 諏訪大社 公式サイト
http://suwataisha.or.jp/
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