信州森林づくり応援ネットワーク

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産みの苦しみ~林業士入門講座修了報告会~

長野県林業総合センター 指導部です。

「地域林業をけん引するリーダー」となる長野県林業士を目指すために開講している「林業士入門講座」。
近年、山村地域でも森林と人との距離が遠くなり、関係が薄れつつあるとの話を聞きます。森林に囲まれた長野県で、地域の林業をけん引していくためには、もう少し積極的に森林と人との関わりを見直し、森と人をつなぎながら地域を活かしていく人材を育てていくことが必要ではないかと思っています。
そこで、今年度の講座から、「自分たちの地域を自立させていただくための実行計画を創る」ことを修了レポートの課題としました。

そこで、講座の訪問先も大きく変更させ、連携で自立を促す山梨県の取組みや、林業を地域の柱に考えている北相木村や朝日村震災復興から集落の自立を進める栄村など、具体的に活動している現場で、話をお伺いしました。

こうした先進事例に刺激を受け、自分たちの地域を足で歩いて様々な方からお話を伺う中で、地域の課題を整理し、レポートにまとめるのですが、これがまた大変。
受講生の中にはレポートを書くという行為が「人生初」という人もおり、地域の課題を整理して、人に伝えられる文字に起こしていく作業に苦心。レポート発表の直前まで知恵熱を出しながら、産みの苦しみと闘っていました。

産みの苦しみが大きくなったのは、「地域を自立させるための実行計画」を紹介するということで、実行可能な計画であるかどうかを、関係者に知ってもらうことにしたこともポイントです。
せっかくの計画ということで、長野県林業士会や地域振興局の皆さんにお越しいただき、受講生の修了課題を発表してもらいました。

今回は、松本以北に住んでいる人が多いことと、今回の研修生の疑問に丁寧に答えていただきながら、課題解決に向けて積極的な協力をいただいたということで、工事休館中の県立長野図書館を関係者のみという条件で会場にお借りすることができ、受講生の修了課題発表を行いました。

多くの関係者の厳しい目線に緊張しながらも、自身の考えた実行計画を紹介。
計画を実現するためには、資金計画まで考えておくことが必要でしたが、時間切れで発表には間に合いませんでしたが、課題解決に向けた現実的な計画が報告されました。
発表会の会場には、受講生のもやもやした課題を整理していただいた司書の皆さんも参加していただき、どんなふうにまとめていただいたのかを感じてもらいました。

受講生3名の発表を聴いていただいた長野県林業士会長さんからは、「ぜひ、長野県林業士になって、地域の支部に加入し、今回提案した計画を林業士会の活動として展開してほしい」とのエールもいただきました。

発表会を終え、講座の全日程を終了した受講生には、修了証が渡され、本年度の林業士入門講座を閉じました。

でも、これで、受講生は晴れて長野県林業士!
とはなりません。

今回の修了証は、あくまで長野県林業士の受験資格をいただいただけ。
長野県林業士に認定されるためには、修了者が林業士の資格認定申請を行い、この先に控える審査で認めてもらわなければいけません。
審査では、長野県林業士としてふさわしい活動ができる人材であるかどうか、森林林業に関わる様々な立場の方が厳しく審査します。

私どもとしても、林業士会の会長さんがお墨付きを与えるような良く練られた計画をまとめられた受講生の皆さんが、新しい林業士としてそれぞれの地域で羽ばたいてほしいと願っています。

また、今回の林業士入門講座の開催に際し、地域の幅広い知識や情報の交通整理という面で一緒に考えていただいた県立長野図書館の皆様にも感謝いたします。

 

〈本件に関するお問い合わせ先〉
林業総合センター指導部
TEL:0263-52-0600
FAX:0263-51-1311
メール:ringyosogo@pref.nagano.lg.jp

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