2017.05.29 [ 林業総合センター ]
松くい虫被害の見分け方を学びました
長野県林業総合センターです。
当センターは、森林・林業関係の試験研究や教育指導を行う機関ですが、研修に使う建物のほかにアカマツを中心とした43haの森林があり、現場技術と座学の両方を学ぶことができます。
新年度が始まり、今年度も林務部職員の技術研修が本格的に始まりました。
5月12日には、各地域振興局に在籍している森林保護専門員などが集まり、県内で猛威を振るっているマツ材線虫病(松くい虫被害)の見分け方などを学びました。
マツ材線虫病の被害を起こしている「マツノザイセンチュウ」は、伝染性が強いことから問題になっていますが、実は1㎜にも満たないとても小さな生き物で、顕微鏡で拡大して見ないと正確に分類することはできないため、「マツノザイセンチュウ」を確認することは案外大変です。しかも、木材の中には他のセンチュウもたくさん生息していますので、その中からマツノザイセンチュウを見つけることが必要です。
今回の研修では、出席者全員が顕微鏡をのぞいて、被害を及ぼしている「マツノザイセンチュウ」を自分の眼で確認しました。
松は、マツ材線虫病以外の原因で枯れてしまうことも多いため、「マツノザイセンチュウ」による被害であるかの判断が難しい場合もあります。とはいえ、すでにマツ材線虫病の被害地では、どのような原因で枯れてしまったにせよ、枯れ木が残っていると被害が拡大してしまうため、早めに処理することが欠かせません。
林業総合センターでは、被害の分布拡大を防止するため、長野県林務部が定めた鑑定要領に基づいて、未被害地域や被害が拡大しつつある地域、高標高の地域に限定して、マツ材線虫病の鑑定を行っていますが、それでも鑑定件数は年間数百件にも及ぶため、極めて多忙なのが実態です。
そこで現在は、被害木から採取した試料を地域振興局で分析したのち、本当に怪しいものについて、マツ材線虫病の鑑定を行っています。
この時に正確な試料採取ができないと誤った結果になることがあるため、正確な試料採取方法や分析方法も実践しました。
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