(力強く飛ぶつがいのコハクチョウ 諏訪湖白鳥の会 阿部正則さん提供)
のりこはその後、4月25日にシベリアめざして
クッチャロ湖を出発。
のりこが発信する電波は
米仏合同の気象衛星ノア9号と10号がキャッチし、
さらにそのデータを1分間に0.3秒の間隔で
フランス国立宇宙センターなど3ヶ所の施設が受信しました。
のりこの発信機は刻々とデータを送り続けました。
そして5月1日から9日までサハリン北部で過ごした後
シベリア東部を横断し、
5月22日には東シベリア海へ流れ込む
コリマ川の河口近くの湿原にたどり着きました。
(ツンドラ地帯で卵を温めるコハクチョウ 諏訪湖白鳥の会提供)
クッチャロ湖から3083kmも離れた
北緯68.6度のツンドラ地帯が
日本にやってくるコハクチョウたちの繁殖地だったのです。
(ツンドラ地帯で子育てをするコハクチョウ 諏訪湖白鳥の会提供)
結局、電波を送り続けたのは
4羽のうちのりこだけでした。
それから半年後の11月17日、
7羽で諏訪湖に飛来したコハクチョウの中に
「No.0586」の足環をつけているコハクチョウが
いることが確認されました。