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ありました! 「二十三夜塔」 【庚申塔のつづき2】

二十三夜塔(にじゅうさんやとう)ってなんだろ?

 庚申塔、道祖神、馬頭観音等と並んで「二十三夜塔」又は「二十三夜供養塔」などと刻まれた石碑をよく目にすることがあります。
 二十三夜塔とは、庚申講(こうしんこう)と同じく民間信仰のひとつとして、人々が集まって月を信仰の対象として「講中」といわれる仲間が集まり、飲食をし、お経などを唱えて月を拝み、悪霊を追い払うという月待行事(月待行事)を行い、その記念や供養のあかしとして建てられたもので、月待塔(つきまちとう)ともいいます。
 月待行事は、江戸時代から昭和の初期にかけて、日本各地で盛んに行われましたが現在はほとんど行われなくなりました。「二十三夜」のほかに、十五夜、十六夜、十九夜、二十二夜などの特定の月齢の夜にも行われました。全国的には二十二夜塔や十五夜塔も多くありますが、二十三夜は月齢でいう「下弦の月」※で、月が出る時間がほぼ午前0時で、その時刻と幻想的な月の形が信仰と重なり、「二十三夜」を一般的なものとしたようです。
 また、崇拝の対象として十三夜は虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)、十五夜は大日如来(だいにちにょらい)、十七夜から二十二夜までは、観音様を本尊とし、二十三夜は勢至菩薩(せいしぼさつ)を本尊として祀っています。
 勢至菩薩は、智慧(ちえ)の光をもっており、あらゆるものを照らし、すべての苦しみを離れ、衆生に限りない力を得させる菩薩といわれています。月は勢至菩薩の化身であると信じられていたことから、二十三夜講が最も一般的で全国に広まったとも言われています。中には「三日月さま」の塔も分布し、集まる月齢に関しては地域的な片寄りもみられます。
 



 諏訪市内にもあるはずと旧村落を探しまわり、湖南地区でようやく目にすることができました。左から4つ目が二十三夜塔です。(上の写真)
 他の石塔や石仏もそうであるように、今は様々な石塔や石仏が元あったところから移設され、集合されているケースが多く、また、時間の経過とともに刻まれた文字や仏様もちょっと見ただけではわからないものも多くあります。

 写真ではわかりずらいと思いますが、上から勢至菩薩を表す梵字※と「俸待廿三夜供養塔」と刻まれ、左には「三月二十三日 講中」と刻まれています。(右上は二十三夜塔の拡大写真)
「二十」を「廿」と刻み「廿三夜」としているところは珍しいものです。現物を探して確認してみてください。



※「下弦の月」とはこのような月の形


※「勢至菩薩」を表す梵字です。二十三夜塔の最上部に刻まれていました。

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