ほっと9(ナイン)ながの 長野で働くスタッフが、長野地域の9つ(ナイン)の市町村の「ホット」な魅力をご紹介!(長野市、須坂市、千曲市、坂城町、小布施町、高山村、信濃町、飯綱町、小川村) 私たちの日々の仕事の話、「ほっと」一息つける癒しの裏話、きっと役に立つ暮らしの豆知識、おすすめ絶品グルメ…などなど、ここでしか出会えない”ながの”のすがたをお見逃しなく!(旧「ほっとスタッフブログながの」)(写真:小布施町 千曲川河川公園の桜堤と菜の花)

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長野で働くスタッフが、長野地域の9つ(ナイン)の市町村の「ホット」な魅力をご紹介!(長野市、須坂市、千曲市、坂城町、小布施町、高山村、信濃町、飯綱町、小川村) 私たちの日々の仕事の話、「ほっと」一息つける癒しの裏話、きっと役に立つ暮らしの豆知識、おすすめ絶品グルメ…などなど、ここでしか出会えない”ながの”のすがたをお見逃しなく!(旧「ほっとスタッフブログながの」)(写真:小布施町 千曲川河川公園の桜堤と菜の花)

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長野地域への移住ってどうですか?移住の先輩に聞いてみた!【須坂市編】

長野地域振興局では、長野地域9市町村への移住や二地域居住を推進しています。今回は、2021年9月に地域おこし協力隊員として、神奈川県川崎市から須坂市へ移住した小田達彦さんに、移住者の目線から見た須坂市や長野地域について、お話を伺いました。(この記事は2023年11月に行った取材に基づき作成しています。)


2021年に神奈川県川崎市から須坂市へご夫婦で移住された小田さん。今年9月にはお子さんが誕生し一児のパパに。須坂市の地域おこし協力隊員として教育などの分野を中心に活動中。

―――本日はお時間をいただいてありがとうございます。小田さんは須坂市の地域おこし協力隊員としてご活躍されているとお聞きしました。移住を考えられたのは、地域おこし協力隊員への応募がきっかけだったんでしょうか。

実はそうではないんです。地域おこし協力隊の仕事がしたかったというより「長野県に移住したい!」というのが先だったんです。長野県への移住ありきでした。
奥さんがすごく長野好きで。夫婦とも長野県には縁もゆかりもなかったんですけどね。奥さんとお付き合いしだしてからは、月1回のペースくらいで長野県に来ていたこともあって、「もう住んでしまおうか」っていうのが移住を考えたきっかけですね。

―――奥様が長野県を好きになられたきっかけのようなものはあったんですか。

明確な理由はないんです。特にアウトドアとかをすごくやるわけではないんですけど、やっぱり自然に囲まれている環境とか、街の雰囲気とかが気に入っていたみたいで。癒されるんじゃないですかね。

―――それで長野県内の自治体から、地域おこし協力隊の募集を探されて、『須坂市』へ応募されたんですね。移住先候補の情報収集はどのようになさったんですか。

情報集めはネットからです。長野県にどういう地域があるのかとかをざっくり調べました。実際行ってみたりするとネットの情報とは違うこともあるので、いくつかの場所に絞った上で、自治体の移住支援部署にお話しを聞いたりとか。実際に候補の街に日帰りで行ってみて「ここで暮らすイメージがつくかなあ」と考えたり。だいたいその方法で情報は調べてました。その中で最終的に須坂市が合うなって。

―――お話を聞く限り、奥様は移住に賛成だったのかなと思いますが、小田さんの移住について周囲の方の反応はいかがでしたか。ご両親とか、ご友人とか。

僕の実家の方は、「また馬鹿なことやってるな」っていう反応で(笑)。余談なんですけど、僕の兄も妹もいろいろと移住したり、転職したりしてるので、両親は「お前もか!」みたいな。
奥さんの家族へは、結婚式を5月に挙げて、6月に移住しますという話をしたんです。やっぱり、年収も変わってしまったりするので、ちょっと驚かれたり。ただ奥さんのお母さんとかおばあちゃんから、「若いうちに冒険するのもいいんじゃないか」という反応をいただいて。友達なんかは、賛成とか反対とかはなかったですけど、「びっくり!?」っていう感じだったと思います。

―――周囲の方の後押しもあって移住を決断されたわけですね。移住に踏み切ったきっかけはあったんですか。

決断したのはある種、勢いみたいなところもありました(笑)。それから、前職でやっていた仕事にも区切りがついたので。
ただ、奥さんも、やっぱりいざ移住するとなったらいろいろ不安もあったみたいで。特にお金の面とか、知り合いが減ってしまうこととか。経済的なところだと、明らかに収入が下がるのはわかっていたので。

―――たしかに大事な問題ですよね。移住をされるときに経済的な負担や変化を気にされる方は多いと聞きますが、そういった不安はどのように解消されたんですか。

地域おこし協力隊のお仕事も3年でいったん終わるので、その先の収入の保証はありません。だから、3年後以降どうやって稼ぐかというのもありますけど、まずはライフプランに対して、何年後にいくらお金が必要なのかという、ケーススタディをかなり綿密にやりました。奥さんとしっかり話し合って。

―――移住者の目線で、須坂の街にはどのような第一印象を抱かれましたか。

移住前に一回訪れたときには『きれいな街』っていうのをすごく感じました。蔵の街のエリアがきれいに保存されていて、景観がいいし。
あと、飲食店、居酒屋が結構充実していて。僕は結構お酒も飲むので、住めるか住めないかの判断基準はそこなんですよ(笑)。須坂の夜は楽しいですよ。最近もどんどん新しいお店ができますし。

駅から少し歩くと、趣ある旧家の街並みも。散策するだけで楽しめる。

―――そんな須坂市ですが、実際にお住まいになっていかがですか。以前は神奈川県にお住まいだったと思いますが、生活にギャップを感じたりはしませんでしたか。

やっぱり気候が…。冬はけっこう大変ですね。やっぱり雪は見るもんですね(笑)。雪について想像はしてはいたので「やっぱりそうなるよな」という感じでしたけど、雪が積もると外に出るハードルは上がりますね。
それから、移動手段が電車から車に変わりましたね。これは僕には良い意味のギャップでしたけど、車が手放せなくなりました。車を使う習慣になれてしまえば、ちょっとどこかに行くのにも便利だし、5分、10分のところでも車でスッと行ける。街へちょっとふらっと出て行くときのハードルはむしろ下がりましたよ。

―――冬が大変ということですが、どのようなことが大変か、詳しくお聞きしたいのですが。

主要道路は除雪が行われるが、凍結は必至。スリップ事故には要注意。

冬は…、冬は辛いっす(笑)。個人的にはあんまりいいところはないかな、景色以外。景色は本当にきれいですよ、一面銀世界で。実際の生活となると、例えば僕はアパートで両隣に部屋があるのでましなんですけど、古民家とかだと、家の中まで凍結することもあるんですよ。そういう意味では、移住初心者の方はアパートのほうがいいかもしれないですね。
僕はあんまり朝が強くないんですけど、朝は車のフロントガラスの凍結を解かす作業があって、その朝の10分がすごくつらい(苦笑)。エンジンを暖めて、フロントガラスの凍結を解かす間に、車の周りを雪かきして…。一昨年は雪がすごかったので、きつかったですね。

運転も大変で、アイスバーンがあったり。それから須坂は信号が少ないんですけど、カーブミラーが霜で見えなくなるんです。須坂は朝に雪が降っても昼には解けることが多いので、本当に大変なのは年に数回なんですけどね。やっぱり、その時のインパクトがすごく大きいです。移住者の方には、「車は四駆、スタットレスは早め」をおすすめします(笑)。

―――先ほど、移動手段の中心が電車から車になったというお話がありましたが、車社会に抵抗はなかったんでしょうか。地方は公共交通が不便という声も聴きますが。

生活する分にはないですね。街も車を使う前提でつくられているので、不便は感じないですし。長野市街へ抜けるときに渋滞はありますけど、須坂市内はほとんどないです。公共交通機関も、今の生活では特に不便さは実感しないです。

―――なるほど。買い物や病院など、日常生活でも特に困ることはないですか。

買い物は全然困らないですね。移住前と何ら変わらないです。たまに野菜とか果物のおすそわけをもらったり、これは田舎ならではですね。それから、こっちではコンビニで野菜の直売をやってたりするんですよ。市場には出回らないけど十分美味しい野菜がコンビニに行くついでに買えたり。スーパーの中にも直売があったりします。日用品の買い物ついでにという感覚で、案外、直売所よりも足が向きやすいですよ。
病院もあまり苦労しませんね。さっきもお話ししましたが、こっちに来てから車を使う習慣ができて行動範囲は広がりましたし、車の行動圏内には結構、医療機関はあるんです。
実は先日、子供が生まれたんですが、その関係で奥さんが病院にかかるとき、市内には産婦人科は少なかったりしましたね。でも小児科はありますよ。

―――お子さんがお生まれになったんですね!おめでとうございます。そうなると、子育てのしやすさも重要な視点だと思うのですが。

須坂市で言うと、子供を遊びにつれて行けるところがちょっと少ないなとは感じます。公園みたいなのがあまりないんです。百々川の裏の望岳台公園に行ったり、小布施のハイウェイオアシスに行く人が多いのかな。
保育園は、地域おこし協力隊のお仕事でも少しかかわっていますが、自然に触れる活動とか、お散歩も時間が長かったり、けっこうおもしろいところが多くて、安心して子供を預けられるイメージです。待機児童もないですしね。

―――移住をされる方の中には、自然の中で子育てができることに魅力を感じる方も多いようですが。

須坂市は自然環境はすごく豊かなんですが、意外と地元の方ほどその良さに気が付いていないかもしれません(笑)。案外、子供を自然の中で遊ばせることができるスポットとかプログラムは須坂市には少ない気がしますね。でも僕は子供を自然の中で遊ばせたいので、森とか里山にどんどん連れて行こうと思ってます!

―――須坂市は長野地域の中で、市街地のイメージもあるのですが、自然も豊かなんですね。
ちなみにおすすめのスポットなどはありますか。

豊丘ですね。今、豊丘に倉庫を借りていて、そこからの眺めがものすごく良いんです。須坂市ってあんまり田舎な感じがないんですけど、車で10分くらいで行ける豊丘は、まさに移住者が想像する「田舎」なんです。ちょっと標高の高いところから見下ろすと、建物も少なくて、きれいな田園風景が広がる後ろに北アルプスが見えて。あそこはすごくおすすめです。

取材当日の朝、小田さんが豊丘から撮った北アルプスの山並み。稜線に積もる雪が青空に美しく映える。

―――少し話がそれましたが、お子さんの進学や就職という視点では、須坂市や長野地域はいかがですか。

まだ想像したくないですけどね(笑)。教育の分野は仕事でも携わっていますが、特に義務教育過程では、民間とも関わる新しい教育の在り方が浸透してきていて、学校環境は良くなるのではないかと思っています。そういった変化は、意外と都会より速い気がしますし、小学校や中学校は心配していません。
高校や大学は子どもの意思もあると思いますし、子どもにとって須坂市以外が良ければ、外に出ていいと思っています。

―――お仕事について、詳しくお聞きしたいのですが、地域おこし協力隊員としてはどういうことをされているのでしょう。

僕はフリーミッションといって、地域に入って自分なりに課題を見つけて、解決するというタイプの採用なんです。そんな中、教育分野に興味を持っていて、民間と学校をつなぐコーディネーターのような役割を果たせればと思って活動しています。協力隊員は、「街に入りこむこと」が仕事といっても良いです。圧倒的に人と会う頻度が多くて、いろいろな人と関われて、地域に溶け込めるのはとても楽しいですよ。

―――地域と密接にかかわってお仕事を進めるんですね。楽しそうな反面、大変なこともあるのではないですか。

やっぱりそれなりに自分のことを知ってくれている人が増えてくると、うかつなことはできないなと…。もちろん悪いことをしているわけではないんですけど(笑)。居酒屋で楽しく飲んでいて、帰るときに後ろの人から「小田さん!」って声をかけられたり。嬉しいんですけど、「俺、変なこと言ってなかったよな」みたいな(笑)。OFFの時間も、完全にOFFにならない感覚はあります。

―――プライベートやお仕事を通じて、須坂市や長野地域にもずいぶん馴染まれているようにお見受けしますが、須坂市、また長野地域の魅力を端的に教えてください。

須坂市については、面白いお店、飲食店が多いことが住民としては魅力かなと。お昼にカフェや雑貨屋さんを楽しんで、夜は居酒屋から二軒目にバーみたいな(笑)。空き家をリノベーションしたお店とかも多いですし、移住された方がやっているお店もあるんですよ。でも注意してほしいのが、日曜定休のお店が意外と多いんです。日曜日の夜は眠る街なんです、須坂は(笑)。

長野地域は、車で行ける圏内にいろんな性格の街があるんです。須坂はフルーツが有名ですし、近いところでいえば、長野市はちょっと都会な街、小布施はおしゃれなイメージとか。冬はいろんなスキー場にすぐ行けます。すごく面白い地域ですよ。
あとは東京へのアクセス。これも魅力です。新幹線は早ければ1時間20分ほど、高速バスもありますし。

―――最後に、移住に興味がある人へメッセージやアドバイスがあればぜひ。

移住前に、一回、移住を考えている場所を見に来た方がいいです。それから地元の方とも交流したほうがいい。行政の窓口に行くことも大事なことですけれど、やっぱり地元の人に生の声を聴いてほしい。ちなみに須坂市では、地域おこし協力隊員が中心となって「信州芋煮会」という催しをやっています。こういう場に顔を出してみると、すごく貴重な機会になると思いますよ。
それから移住は勢いです(笑)。もちろん、綿密な計画は大事ですが、最後に移住に踏み切るのは“エイヤ!”で。それから、子供が小さいうちに移住してしまうというのも大事かなと。

―――須坂市や長野地域での暮らしがイメージできるエピソードがたくさんあったと思います。今日はいろいろなお話をいただいてありがとうございました。


【須坂市ってこんなところ

人口約5万人の「コンパクトで便利な田舎」。果樹の栽培が盛んで、ぶどうやりんごの果樹畑が広がります。ほどよい距離間の里山に囲まれ、スーパーも多く便利な街です。市の中心部は、賑わいの中に旧家や蔵が並ぶ情緒的な風景もみどころ(街の様子は、こちらの記事もご覧ください!)。

米子大瀑布

須坂市子育て就労総合支援センター 『bota』

日本の滝100選にも選ばれている国の名勝『米子大瀑布』は須坂の豊かな自然を体感できるスポット(こちらの記事もご覧ください!)。2019年の台風災害で被災した林道や遊歩道が2023年に復旧し、行楽シーズンには多くの観光客で賑わっていました。(冬季はアクセス道路が通行止めとなります)

また、市の中心部には子育て支援センターや多目的ホール、コワーキングスペースなどを備えた須坂市子育て就労総合支援センター『bota(ぼーた)』が誕生。また、数年後には市内に大型ショッピングモールの開業も予定されています。世代を問わず、誰もが暮らしやすい須坂市へ。街のアップデートが今も進む注目の自治体です

【須坂市への移住に関するお問合せ先】

・須坂市役所総務部政策推進課 026-248-9017

・須坂市移住応援サイト    https://www.city.suzaka.nagano.jp/kurasuzaka/

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長野地域振興局 総務管理課
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