ほっと9(ナイン)ながの 長野で働くスタッフが、長野地域の9つ(ナイン)の市町村の「ホット」な魅力をご紹介!(長野市、須坂市、千曲市、坂城町、小布施町、高山村、信濃町、飯綱町、小川村) 私たちの日々の仕事の話、「ほっと」一息つける癒しの裏話、きっと役に立つ暮らしの豆知識、おすすめ絶品グルメ…などなど、ここでしか出会えない”ながの”のすがたをお見逃しなく!(旧「ほっとスタッフブログながの」)(写真:千曲市 龍洞院の紅葉))

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長野で働くスタッフが、長野地域の9つ(ナイン)の市町村の「ホット」な魅力をご紹介!(長野市、須坂市、千曲市、坂城町、小布施町、高山村、信濃町、飯綱町、小川村) 私たちの日々の仕事の話、「ほっと」一息つける癒しの裏話、きっと役に立つ暮らしの豆知識、おすすめ絶品グルメ…などなど、ここでしか出会えない”ながの”のすがたをお見逃しなく!(旧「ほっとスタッフブログながの」)(写真:千曲市 龍洞院の紅葉))

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未来につながる森林プロジェクト ~信大教育学部附属長野小学校6年2組の挑戦!!~

こんにちは、林務課のw & BSです。

 

今年もいよいよ余すところ3週間になりましたが、皆さんいかがお過ごしですか。

 

今回は、以前ご紹介した信州大学教育学部附属長野小学校6年2組の児童が取り組んでいる、森林や木材利用などに関する学習『未来につながる森林プロジェクト』についてお伝えしたいと思います。

 

このプロジェクトに取り組むきっかけとなったのは、森林に関わる授業を進める中で、森林の役割に関心をもち、林業や木材産業に携わる人々の想いに触れ、「自分達も森林のために何かできることをしたい」との願いが生まれていったことが始まりです。

【スギ材にプリントされた学習のタイトルに児童の熱意を感じます】

 

今回の学習は、県の森林づくり県民税(森林税)を活用した木育事業の一環として、地域産の木材(地域材)を使って実際にベンチを作るもので、児童がこれまで継続的に取り組んできた学習の集大成です。

 

児童は、まずインターネットなどの各種資料を用いて、森林の歴史や現在の姿、森林を立派に維持していくための林業、木材産業の役割などについて徹底的に調べ上げ、学級担任のK先生もこれに負けじと、率先して地域林業の現場に足を踏み入れ(既報)、続いて児童も国有林の木の伐採地や木材市場、また製材工場を訪れるなど、学級が一つになって少しずつ学習を深めていきました。

【手慣れた手つきでインターネットを駆使しての徹底した事前学習】

 

【それぞれの班で工夫を凝らした事前学習のポスター】

 

その中で、児童は山から伐採された木が本当にベンチの材料になるのかを確認するため、伐採現場から切り出された木が市場に運ばれた際、積まれた木の長さを測ったり、木口にスプレーで目印をして、製材工場での加工や納品になった材料をそれぞれの目で見届けました。

【市場での木の検測。この長さで大丈夫??】

 

【「地域の木を使うことで地域の山がよくなります…」講師は瑞穂木材㈱の宮崎社長さん】

 

12月8日の当日は、広々として天井の高い学校のランチルームが木工体験学習の会場です。材料となる木材は飯綱山国有林から伐採された約60年生のスギを木島平村の瑞穂木材で加工したもので、組み立ての設計図は先生のアドバイスを受けながら児童が検討を重ねて作ったものです。

【とてもわかりやすい注意事項と設計図】

 

【設計図と見本のベンチを見ながら製作工程などを確認します】

 

当日は、児童35名、先生方数名が参加する中、瑞穂木材や地域の工務店などから木の達人10人ほどが参加し、木の見方や道具の使い方など要所要所でフォローしていただきました。特に始めの会では、木には表と裏があり、木表(きおもて)を前面に出して組み立てると材の肌がすべすべしていて仕上がりがよく、反対に木裏(きうら)は肌がささくれて感触があまりよくないという初めて聞く話などを、児童は真剣に聞き入っていました。

【北信地域から集まった“木の達人”たち】

 

【瑞穂木材㈱の宮崎社長さんからのアドバイス。「こちらがが木表です…」】

 

続いて児童は9つのグループに分かれて、それぞれ加工や組み立て作業に入りました。材料はキット化されたものではなく、児童自らがノコギリで木材を切削する長尺ものなので作業も長時間を要します。児童は予め設計チームが作った設計図を参考に切削部分に線を引いた箇所を入念に再確認しながら加工を進め、材料の角を丸める面取りやヤスリがけするなど、細かなところにも気を配りながら材料を準備していました。

【長尺の材料なので加工が大変そうです】

 

【のこぎりの使い方にも慣れてきました…】

 

 

【かんなやヤスリでていねいに面取りします】

 

材料の準備ができたら次は組立てです。これにはインパクトレンチを使い、事前の穴あけやネジの打ち込みなどを慣れない手つきで進めていましたが、作業が進むにつれて効率よく道具を使えるようになってきて、達人の力を借りながら手際よく組み立てていきました。

 

【ネジ打ちも協力しながらやってます】

 

各グループはそれぞれ特徴があり、材料を全て加工してから組み立てるグループ、材料を少しずつ加工しながら組み立てるグループと色々で、児童はお互いに励ましの声をかけるなど、終始目を輝かせ和やかなムードの中で作業が進められました。組立て中に寸足らずな材料をネジ付けしたり、材料の端が不揃いのグループもありましたが、材料を交換したり工夫して端を揃え直すなど、皆で知恵を絞っていました。

 

当日は午前8時半過ぎから作業を開始し、正午前には作業を終えなければなりませんでしたが、ベンチをほぼ完成したグループが2つ、残りのグループはこれからも時間をかけて完成させるそうです。作業はここで一区切りし、続いて会場の掃除です。たくさんのおが屑と端材が残りましたが、片付けをする中で、小さな端材を記念に持ち帰る児童もいました。

【こんな工程で頑張りました!!

 

この日の体験学習は、これまでの学習のまとめとなるものでしたが、現地で見たり聞いたりすることをベースに、地域の木が地域で加工されていく様子をたどったり、その木を使って暮らしに役立つベンチを実際に作ってみるという、森林や木材の循環を実感する学習となりました。学習に取り組む児童一人ひとりの表情も非常に豊かで、意欲的に取り組む熱心な姿がとても印象的でした。

 

製作されたベンチは今後近隣の施設などに寄贈し、地域の皆さんに幅広く使っていただく予定とのことです。

 

日頃、林業や木材産業に携わる方々と仕事をする機会が多い私たち林務課職員ですが、森林の健全な育成や林業後継者の確保が社会問題の一つに取り上げられる中で、今回の学習を通じて、この取組が子どもたちにとって、まさに「未来の森林づくりの担い手につながっていく貴重な体験」であることを実感したひとときになりました。

【やったぜ!完成したベンチと記念写真】

 

私たちは、これからも日頃の業務を通じて地域の皆さんとタッグを組みながら、引続き小中学校児童、生徒の木育活動に積極的に関わっていきたいと思います。

 

森林税を活用した木育活動などの各種事業については、長野地域振興局林務課の林業普及指導員(電話直通:026-234-9523)へお問合せください。

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