林務課のw&BSです。
各地で大雨による多くの災害が発生したこの頃ですが、皆さんお住まいの地域ではいかがでしたでしょうか。不運にもお亡くなりになった方やご家族には、心からお悔やみを申し上げます。
さて、今回は小学校の先生と一緒に、林業や木材産業の現場をめぐった一日についてお伝えしましょう。
ことの始まりは、今年、信州大学教育学部附属長野小学校6年の学級で、児童の皆さんが森林や木材利用などの学習を継続して行っていて、その延長で実際に林業の現場に触れる学習の下見のため、学級担任のK先生を現場にご案内しました。
当日は曇天で、過ごしやすい天候の下、浅川ループ橋から飯綱高原への途中にある「いいづなお山の発電所」に集合。
その後、宮澤木材産業株式会社の宮澤遥社長の案内で、まずは立木(りゅうぼく)を伐採した国有林の現場に到着しました。この現場は、既に立ち木が伐採されていて、一定の寸法にぶつ切りにされた材木を、外国(チェコ)製の林内作業車で搬出している様子を斜面の下の方から遠目に見学。その後、国有林の林道を経て現場の上方に移動しました。
【斜面の下側から見た作業現場と林内作業車】
【比較的なだらかな国有林の林道】
その途中には土場(どば:ぶつ切りした木材を一時ためておく場所)があり、高度な複数の機能を搭載した大型の林業機械(高性能林業機械)が3台鎮座していて、先生はそれぞれの機能とその大きさにビックリしていました。
【林道脇に鎮座した高性能林業機械】
続いて、林道を下り別の土場に積まれた太さが30センチを超える多くの丸太を横目で見ながら、前掲のチェコ製林内作業車が積載した木材を荷下ろしする様子も見学。普段見ることのできない林業のスケールの大きさを改めて実感されたようでした。
【一定の寸法にぶつ切りにされた木材が山土場に大量に積まれています。傾斜地での積み方がプロ。】
【林内作業車(チェコ製のフォワーダ)に積載した丸太の荷下ろし作業:運転席が180°回転することにより、バックするときに前を向いて運転できます。】
続いて、お山の発電所に戻り、同発電所と「お山の製材所」を見学。発電所では2基のプラントで市内7,700戸の電気を賄っている現状や、「お山の製材所」は本来パレット(梱包用の枠木)に特化した製材を行う工場なのに、コロナ禍を契機にアメリカ西部地域から始まった「ウッドショック」(世界的に建材などの木材が足りないこと)により、一時的に柱材を加工していることなどを聞き、現場でないと分からない最先端の情報に触れていただきました。
【発電所を紹介するDVD】
【発電の燃料となるチップの製造過程:大量に積まれた木材をグラップル(手前)を使ってチッパー(奥)に投入し加工】
【加工されたチップ:左が間伐材を利用したもので、右が廃材を用いたもの】
【製材機械(ツインバンドソー)での加工の様子】
【宮澤社長(左)の説明を熱心に聞くK先生(右)】
半日ご一緒した先生の感想は、「本物の林業や木材産業に触れながら、普段では感じることのできない現場の壮大さや、これに携わる人々の苦労などを肌で感じることができた。」と話されていました。
また、学校では引き続き林業などの学習を進められるとともに、日頃の机上の学習を実践的な活動に移していくため、「みどりの少年団」の結成も念頭に置かれている様子で、今後ますます学習が深まっていくことに周囲の期待も高まっています。
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