2017.02.01 [ 子ども・若者長野地域の【暮らし】 ]
長野で活動!NPO「鬼無里の文化を学ぶ2」
2017年、雪・雪・雪の1か月が過ぎました。
こんにちは、地域政策課Iです。
前回、「鬼無里の文化を学ぶ1」と題し、「NPO法人信州麻プロジェクト」の皆さんによる鬼無里小学校での体験学習を取材しましたが、あれから、約4か月…
鬼無里はすっかり雪景色…
第2回目の体験学習は、秋に“麻掻き(おかき)”した麻の皮を“麻糸”へと進化させる作業を行います。
いきなり、今回の最難関!“麻績み(おうみ)”です。指先を器用に使い、短い麻の皮を繋げていく作業です。もちろん、接着剤なんて使いません。自分の手でひねってひねって少し戻す…この繰り返し。
“まずは手ほどき”“指先一本一本を集中させて…”“繋がったかな?”
ひねってもひねってもするするとほどけてなかなか一本にはなりません。とても根気のいる作業で、子どもたちは真剣に取り組んでいました。
次の工程は“麻撚り(おより)”
麻績みして長くなったものを撚り合わせる作業でやっと糸らしくなります。この工程は、昔から子どもたちの役目だったそう。
“昔の足踏みミシン!? 何だか楽しそう”“出来上がりは、こんな感じ”そして、本日最後の作業“糸合わせ”
機械を使って更に撚り合わせて強くし、長さを揃えます。力のいる作業でしたが、全身を使い集中です。
“丈夫になあれ!”“出来上がり”
こうして出来上がった麻糸は、この後、雪の中で“寒ざらし”をして白くなるそうです。
終わりの会…
「去年よりスムーズに出来た」「出来なかったのが今年は出来た」の感想が多かったけれど、「難しかった」「去年のが上手に出来た、来年リベンジしたい」の感想も…
一筋縄もとい“一筋麻”ではいかない、大変な作業でした。
かつて、子どもたちを含め、家族総出で一連の麻糸づくりを行っていた鬼無里地区。
ある時は、より美しい麻糸づくりをめざして競い合い、ある時は、麻の入ったカゴ“麻ぼけ(おぼけ)”を持ち寄り、麻績みしながら交流を深め、鬼無里での生活は、麻とともに歩んできました。
平成30年度から小中一貫教育校となり、小学校で体験したこれらの作業を中学校で生かすことでさらに子どもたちの記憶に刻まれるのだと思います。
「NPO法人信州麻プロジェクト」は鬼無里のかつての主要産物であった麻の加工技術を後世に残していきたいと鬼無里の伝統文化の伝承を目的に活動されているNPO法人です。
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