2022.11.16 [ 長野地域の【農業】 ]
新人奮闘記@農業農村支援センター⑥ ~里親制度の巻~
お久しぶりです!
長野農業農村支援センター新人のYです😎日によって寒暖差があり、体調を崩しやすい時期ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか?
私は赴任して7か月が経ち、だいぶ職場にも慣れ、周りを見る余裕が出てきたように感じます!
さて、本投稿では農業における「新規就農里親制度」について取り上げます。
「里親制度」というと、犬や猫の「里親」や社会的養護の必要な子供を養育する「里親」が真っ先に頭に浮かぶと思います。実は、農業にも里親制度があり、農業農村支援センターにて👩🌾「担い手育成事業」👩🌾の一つとして取り組んでいます😁
今回は、支援センターの担い手担当と共に、里親制度を~現在進行形~で利用している里親と研修生の方にインタビューを行いました👩🏫
<里親:福澤さん>
農家15年目。8年前より専業農家として活躍。りんご・ぶどう等を生産。
Q1:里親になるきっかけは何ですか?👀
アルバイトに来ていたAさんが農業を自分でやりたいということで、前から知っていた里親制度の内容を聞きに2人で市役所へ行きました。市役所から担当が県の農業農村支援センターということで紹介してもらい、話を聞くことに。結局Aさんは里親制度を使う決断ができませんでしたが、当時の県の担当者から、自分に対して「里親にならないか」と打診がありました。迷うところもありましたが、後継者がおらず、助け合える人材が欲しかったため、強い結びつきを感じられそうなこの制度を使おうと思ったことがきっかけです。
Q2:実際に研修生を受け入れていかがですか?👀
彼(研修生)とは最初から気が合う感じで、「面白いやつがきた!」と思いました。彼が自立した後も、お互い助け合う関係が続くと信じられるくらい、自分の家族とも上手く付き合ってくれています。自分の子供が大きくなって困ったときに、彼なら助けてくれると思える関係です。
Q3:里親として意識していることは何ですか?👀
農業者として1人立ちし経営を継続してもらうために、研修生を「労働者としてだけでなく経営者として成長させること」です。そのためには、栽培方法だけでなく、収穫したものの売り方の研修も必要です。お金を借りられているかなど、自立できるよう援助するのが里親の役目だと思っています。研修自体は2年で足りると思いますが、研修後はそれ以上の間互いに助け合えるよう「人をそろえること」の大切さを教えています。
Q4:福澤さんが考える農家に向いている人はどんな人ですか?👀
「畑に入ってうれしいと思える人」「味の違いが分かる人」「作る過程を想像できる人」「ワクワクできる人」
<研修生:釜井さん>
研修2年目。来年ぶどう農家として就農予定。
Q1:研修生になるきっかけは何ですか?👀
台風19号災害の際に、赤沼にいるりんご農家の友達のところに収穫の手伝いに行くことがありました。その時に農業の楽しさを知りました。その気持ちを友達に伝えたところ、「農家をやってみてはどうか」と言われました。しばらく悩みましたが、当時働いていた生協の仕事よりも儲かるのではないか、また、プライベートでも1人身であったことから、真剣に農業に取り組もうと思い飛び込んでみました。悩んでいる間に、知り合いのぶどう農家でアルバイトをしたり、「里親制度」について教えてもらいました。
Q2:研修生になるまでの取り組みを教えてください。👀
まず、長野市に相談に行きましたが、本当に興味があるようであれば窓口は県庁だということで、農業農村支援センターを紹介してもらいました。当時の担い手担当の方と話をする中で、「福澤さんという里親と合いそうな気がする」と言われ、そこで3日間の体験をする運びに。体験なので、合わないと思えば里親を代えてもらうこともできますが、自分はお世話になる人を選ぶという感覚を持ち合わせていなかったため、一目福澤さんに会ったときに「この人から学ぶんだ」と決意をしました。最初に福澤さんと話したときに「呼び方、かまちゃんでいい?」と言われ、この人とは気が合うと感じたのを憶えています。そして、2年間の研修が始まり今に至ります。
Q3:研修生として今まで学んだことを簡単に教えてください。👀
①農家としての心得=「楽しいと思えるか」、②農家の良いところ以外の部分を見る、③生計を立てることができている農家は何をやっているかを見る、④人を集めることの大切さ
Q4:これからどのような農家になりたいですか?👀
食べていける(稼げる)専業農家です。基本的には自分はポジティブ、まぁいっかと思える性格です。不安が大きいですが、今までの研修期間1年半の中で、いろんな人に出会えた分、その人たちを巻き込んでいる責任感を感じています。また、もう引き返せないと自分を追い込んでいます。
Q5:里親制度についてどう思いますか?👀
ありがたい制度です。今までの研修生を参考にさせてもらっています。また、農業の敷居を低くしてくれているので、取り組みやすくなっていると思います。
Q6:最近うれしかったことは何ですか?👀
自分が育てたりんごを贈った人からお礼のメールが来たことです。直接感謝の言葉をもらえることがやる気につながります。
<支援センター担い手担当>
Q1:毎年何人くらいがこの制度を使っていますか?👀
長野地域では毎年10~15人が里親制度を使って研修をしています。
Q2:担い手担当の仕事を簡単に教えてください。👀
里親もしくは研修生になりたい人に制度の説明を行います。その際に、良いことも悪いこともどちらも話すようにしています。また、研修生と里親となる農家とのマッチングを行うのも大切な仕事です。マッチングした後も、定期的に訪問し様子を聞く機会を設けています。福澤さんたちのようにうまくいく場合もあれば、なかなかうまくいかないこともあるのが正直なところです。
Q3:この仕事(担い手担当)のやりがいは何ですか?👀
正直大変ですが、新規就農者の方々が稼げるようになったり、壁にぶつかった時に伝えた自分の助言が成果につながった時にやりがいを感じます。元々人の話を聞くのが好きなので、色々な人に会えることも自分にとってメリットです。
お話を伺っていると、農家の大変さはもちろん感じましたが、楽しさについても教えていただきました👌
里親の福澤さんと研修生の釜井さん双方とも、「○○さんだからリンゴを買う」という消費者からの声が嬉しいとのこと。そこには、消費者が商品そのものの出来もそうだが、その裏にあるストーリーも重視しているということが分かります。福澤さんの信念は「価値は自分で決める」ということ。これは、自分が作っているものに自信があるからできることなんだなと感じました😍
普段何気なく食べている野菜や果物にも作り手の気持ちが入ってるということを忘れず、残さず食べようと思ったインタビューとなりました🎤
ではまた🖐
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