2019.01.15 [ 林業総合センター ]
新年早々熱気あふれるカラマツ林業等研究会
長野県林業総合センター指導部です。
新年早々の1月9日。県の北部は大雪という日でしたが、塩尻は寒いながらも好天に恵まれ、平成30年度のカラマツ林業等研究会が開催されました。
カラマツ林業等研究会は、長野県内で一番多く植栽されているカラマツを中心とした、森林・林業に関する成果を発表する催しで、県内の林業関係者にとっても高い人気を誇っており、当所で最も大きな大研修室が超満員となる180名の参加者であふれました。
今年の研究発表会では、6件の発表があり、まずは村のカラマツ材を積極的に活用して、役場を建設した朝日村の取組みから報告いただきました。さらに、未来に向かってカラマツ林が残り続けるようにするため、所有者にどうやって利益を還元していくのかを苦心している森林組合の取組など、カラマツを積極的に使うための事例が紹介されました。
実際に、現場で苦労して取り組んできた取組が報告されるだけに、林業現場で働く皆さんからの関心も高く、具体的な話を聞きたいと突っ込んだ質問もされていました。
この研究会には、行政関係者だけでなく、県内の試験研究機関も参画しており、現場発の事例報告だけでなく、最新の研究成果も紹介されています。
今年度は、信州大学からはカラマツの光合成量に注目して、地球温暖化が進行した場合の影響予測なども示され、自分たちの地域の森林がどうなるのかという点で質問が出ていました。
このほかに、カラマツ林で問題となる心腐病の研究や、安全な立木伐採への取組み、ヒノキ林の施業など、多岐にわたる発表が続きました。
さらに今回は、6月の研究成果発表会に参加できなかった方から、今年度から利用を始めた木材試験棟を見学したいとの声をいただきましたので、開会前の短い時間でしたが、木材試験棟の見学も行い、25人ほどの方に見ていただきました。
試験棟では、今回新しく作成した、長期間の荷重に対する反応を調べるクリープ試験機が稼働しており、実際の現場で試験を行っている様子も観察していただきました。
カラマツ林業等研究成果発表会で発表した当日の発表内容については、発表者の皆様から原稿をいただき、当所で発行している広報誌「技術情報」の中で、後日詳しく紹介させていただく予定です。
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