2020.01.14 [ 林業総合センター ]
カラマツ林業等研究会が開催されました~欠点解消から高付加価値へ~
長野県林業総合センター指導部です。
新年早々の1月8日。塩尻市街地にあるレザンホールで、今年度のカラマツ林業等研究会が開催されました。
当日は、カラマツ林業の未来を語るパネルディスカッションが行われ、会場に集まった180名の参加者からの意見を踏まえ、成熟したカラマツをどのように活かしていけば良いのか、伐った後の森林をどのように育てていけば良いのかについて議論を交わしました。
これに先立つ基調講演では、北海道林産試験場で活躍されている研究職員2名をお招きし、「北海道におけるカラマツの川上から川下までの取組み」と題し、北海道におけるカラマツ林の有効利用に向けた取組みや、出荷された木材に付加価値を付けて販売している事例などが紹介されました。
毎年1月に開催しているカラマツ等林業研究会の成果発表会では、例年カラマツを中心とした、県内の森林・林業に関する成果を発表しています。
今回、北海道からお招きしてお話をいただいたのは、この会が昭和54年の会の発足から40年の節目にあたっていたことがきっかけです。
せっかくの節目だからということで、本県とともにカラマツ林業が盛んである北海道の事情を紹介していただくことを主眼とした内容にしました。
とはいえ、北海道の話題を聴くだけでは面白くないので、本県からも、カラマツを中心とした木に関わる交流の場として活動している「木と文化の環境フォーラム」の協力を得ながら、これからのカラマツを活かす取り組みについて、3点の話題提供をいただきました。
そして最後に、北海道と長野の関係者が一堂に並ぶ形で、パネルディスカッションを進め、カラマツを活かした山づくりから、高く売るための工夫、林業技術者の収入をどのように増やしていけば良いのかといった質問が相次ぎ、冒頭で紹介したように会場からの意見も伺いながら、白熱した議論となりました。
カラマツ林業研究会は、割れる、ねじれる、ヤニが出ると言った欠点だらけのカラマツを何とかしたいとの想いから誕生したのですが、今回のシンポジウムで話題になったのは、そうした欠点を解消する技術開発を経て、より高く売るための材料開発の時代に突入しているということでした。
県内では60年を超える成熟したカラマツ林が増加傾向にあり、より付加価値の高い木材として利用していくことが求められています。それだけでは、資源の枯渇につながってしまいますので、その先をどのように考え、持続的な発展が営めるように配慮していくのか、という新たな問いを頂いた気もします。
今回のシンポジウムで、基調講演をいただいた北海道の講演者2名と、話題提供を頂いたパネラー3名の発表内容につきましては、発表者の皆様から原稿をいただき、当所で発行している広報誌「技術情報」の中で、後日詳しく紹介させていただく予定です。
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