2013.11.21 [ 上伊那/森林レポ ]
東京都立葛飾野高校の森林保全奉仕合宿
〈上伊那の森林レポート〉
10月23日(水)から24日(金)の3日間、東京都立葛飾野高校の1年生約320名が伊那市を訪れ、緩衝帯整備等の森林作業を行いました。
この活動は都立高校の「奉仕」科目の一環で、山村地域の自然に触れながら森林環境整備や木材の利用について学ぶことを目的として、昨年6月に葛飾野高校とNPO法人伊那谷森と人を結ぶ協議会が「森林(もり)の里親協定」を締結し、今回が2回目の活動です。
1日目の活動は伊那市長谷の鹿嶺(かれい)高原で、景観整備と植生を回復させることを目的に、過去に伐採され林内に残っていた木材を運び出す作業を行いました。
この日は朝からどんよりとした空模様で、今にも雨が降り出しそうな雰囲気の中、午後1時頃に鹿嶺高原へ到着。
標高1,800mの高原は天気も相まってか、東京から来た生徒さんたちにとってはかなり寒い様子。
それでも、作業を始めれば寒さも何のその。
みるみるうちに林地残材が集められていきました。
気持ちはわかるけど、それは無理でしょ・・・
爽やかな秋晴れとはいきませんでしたが、ほんの少しの間、南アルプス甲斐駒ヶ岳や仙丈ヶ岳など、東京では目にすることができない景色を見ることができました。
2日目は、2グループに分かれての作業です。
一方は伊那市ますみヶ丘平地林で林内にある残材や枝の処理を行い、もう一方は伊那西小学校通学路周辺の緩衝帯整備(獣害対策)です。
この作業を、午前と午後交代で行いました。
ますみヶ丘平地林では、前日と同じように間伐後の林地残材を運び出す作業を行います。
このますみヶ丘平地林は、林内に木材の破砕チップが敷かれた遊歩道が整備されており、森林浴を楽しめる空間となっていますので、景観整備として作業を行いました。
緩衝帯整備では、地元信州大学農学部の皆さんにもお手伝いいただきました。
「かんしょうたいせいび」という聞き慣れない作業の必要性について説明を受けたあと、早速取りかかりました。
クマなどの獣の隠れ場所をなくすため、道沿いの藪を刈り払います。
隠れ場所としては最適な環境となっており、隣接の野菜や果物等の畑も被害に遭っていました。
320名の底力は凄いです。あっという間に見通しがよくなりました。
最終日の3日目は、間伐材を使ったプランターづくり、ベンチづくり、木工作などを行いました。
プランター作りでは、林内に自生しているカエデやコナラ、コケなどを使いかわいらしく仕上がりました。
ベンチ作りでは、班毎それぞれで知恵を出し合い想像を超える力作となりました。
今年が2回目となるこの活動は、素晴らしい天気とはなりませんでしたが、雨も持ちこたえてくれたお陰で充実した活動となりました。
普段の生活環境とはかけ離れた場所での初めての作業に、生徒の皆さんも疲れたのではないかと思います。
3日間の活動、お疲れさまでした。
上伊那地方事務所林務課からのレポートでした。
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