2017.02.14 [ 林業総合センター ]
全国的に注目されているカラマツ
長野県林業総合センター 指導部です。
日本の林業を支える木といえば、何を思い浮かべるでしょうか。
全国で最も多く植えられた樹木といえばスギですが、長野県で最も多く植えられたのはカラマツです。
カラマツは長野県を代表する林業樹種であることから、当センターでは信州大学や中部森林管理局など関係機関と連携して「カラマツ林業等研究会」を運営し、毎年研究発表会を開催しています。
私たちから見れば身近なカラマツですが、全国的にはあまり知られていませんでした。ところが最近、その価値が高く評価され、全国でもスギに続く素材生産量となってきました。そこで今年度から、国の研究機関である森林総合研究所でも「カラマツの安定供給と持続的利用」に関する研究を始めました。
平成29年2月7日に、カラマツ林業の歴史を振り返り、研究の現状と今後に研究すべき課題を考える公開シンポジウムが森林総合研究所主催により長野市で開催されました。
会場には、カラマツへの期待が高まっていることを反映して、県内の林業関係者だけでなく、北海道や岩手、山梨などカラマツが植えられている寒冷地域を含め、約150人が集まり、会場は熱気に包まれていました。
シンポジウムの前半では、「カラマツとカラマツ研究のあゆみ」と題し、カラマツ林業及びカラマツ材利用の先進地域として北海道と長野県から2名ずつの発表者が登壇しました。
本県からは、苗木づくりから造林、間伐、そして利用までカラマツ林業全般を幅広く研究されてきた当センターの武井元所長と、建築用材として使えるカラマツをつくるために必要な乾燥技術の開発に取り組んできた吉田研究員(当センター前所長)が発表しました。
武井元所長からは、明治時代に始まったカラマツ林業が伊那市高遠出身の中村弥六によってヨーロッパへも広められ、ドイツなどでは現在も植林されていることなどカラマツ林業の長い歴史が紹介されました。
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