2017.02.14 [ 林業総合センター ]
全国的に注目されているカラマツ
一方、吉田前所長からは昭和50年代から始まった建築材へのカラマツの研究の成果と利用開発の歴史が紹介され、昭和50年代後半に体育館の壁板として初めて使えるようになったことに始まり、現在では大きな建物を支える梁や桁に使える「信州型接着重ね梁」を開発することが出来たとする研究開発の歴史が紹介されました。
北海道からは、明治時代に長野県から持ち込まれたカラマツが炭鉱の坑材として重宝した歴史や、梱包材として現在も非常に多く利用されている現状に加えて、建築用材への利用をめざして開発したコアドライと呼ばれるカラマツの角材も紹介されました。
その後、森林総合研究所で現在進行中のカラマツに関する3つの研究についての紹介がありましたが、このうちの「カラマツ種苗の安定供給のための技術開発」と「優良苗の安定供給と下刈り省力化による一貫作業システム体系の開発」については、本県も共同で研究を進めている内容で、カラマツを研究する舞台として本県が良い場所であることを改めて認識しました。
シンポジウムの後半では、「カラマツ研究のこれから」と題し、カラマツの持続的利用と安定供給に向けてどのような研究を進めていけばよいのかについて、吉田前所長も含めた7名のパネリストと、会場に集まった参加者の間で意見交換が行われ、寒冷地での成長が早く、強度も高いカラマツは将来にわたっても期待が持てる樹種であることが改めて示され、過去の取組を参考に将来に向けて積極的に取り組んでいくことが重要であるとまとめられました。
今回のシンポジウムで、カラマツが全国的にも注目を浴びていることが改めて認識できました。当センターでもカラマツは最も重要な研究課題ととらえており、今後も精力的に研究を進めながら、長野県林業の活性化につなげていきたいと考えています。
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