2022.05.24 [ 林業総合センター ]
クマとの知恵くらべ
林業総合センター 育林部のぶらた森です。
山を歩いていると、大きく育ったスギやヒノキの大木が、点々と枯れてしまっている事例を見かけます。
森に入って、その木を観ると、皮が大きく剥がされて、見るも無残。
中には、全周がむかれてしまったものも。
実はこれ、ツキノワグマの仕業です。
クマが本当にこんなことをしているの?と思われる方もいるかと思いますが・・・、
赤外線カメラに証拠が!
動画で確認すると、
スギの木の皮に手をかけてから、完全に剥ぎ終わるまでなんと「6秒!」
皮を剥かれたスギは、60年間育ててきた木でしたので、60年間の努力が、たった6秒で失われてしまったのです。
この動画は、長野県の北にある豪雪地帯の栄村秋山郷で撮影したものです。
秋山郷には、マタギと呼ばれる狩猟のプロが住んでおり、ベテランのマタギさんに話を聴くと、「この場所はクマの通り道だからどうしてもやられてしまう」とのこと。
だからといって、せっかく植えたスギが被害を受けるのは避けたい。
そこで、薬剤メーカーの協力を得て、クマが嫌がる効果があるのではと開発中の薬を、クマの被害を受けているスギ林に塗る試験を行うことにしました。
開発中の薬は、白い乳液のようなモノ。
手袋をした手に薬を取って、
被害を受けては困る木の根元に塗りつけていきます。
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