2012.10.17 [ 自然・山・花 ]
巨樹・古木を訪ねて ~長野県で最も太いサワラ~
林務課の巨木マニアCです。
上伊那の巨樹・古木を紹介するブログの第3弾は、長野県内のサワラで最も太いと言われる「前平のサワラ」(伊那市西箕輪)を紹介しましょう。
前回、同じく西箕輪の経ヶ岳山麓の巨木たちを紹介しましたが、この地区は巨樹・古木がとても多いんです。さあ、もう会うのが楽しみですね。いったい、どんなお姿なんでしょうか。
このサワラの大木は、西箕輪吹上(ふきあげ)地区の吹上神社の境内にあります。のどかな山村集落を山に向かって上っていくと、そんなに大きくない神社の入口があり、遠くから見ても、そんな大木があるように見えないのですが、鳥居をくぐってみると、その左側に!!
なるほど…。これはスゴイ。コケらしきもので緑色に光る幹の姿は、長い年月を生き抜いてきただけの風格を感じさせます。樹齢は約1,000年と言われており、幹周りは約8m。県下1位、全国3位を誇ります。昭和37年に県の天然記念物に指定。落雷や台風などで幹の上部が欠損していることが残念ですが、そんな姿となった後も命をつなぎ、神社の御神木として集落全体を見守っています。
サワラはヒノキに似た針葉樹。材質はヒノキに劣ると言われていますが、寿命はヒノキよりも長いんです。信州の気候が適しているのか、県内にはサワラの大木が数多くあり、神社などではヒノキの大木はあまり見かけませんが、サワラは実に多いですね。そんな長野県のサワラの中で、この木が「親分」ということですね。これ以上、折れたり腐ったりしなければよいのですが…。
吹上神社を後にして、次は同じく西箕輪、羽広(はびろ)地区にある仲仙寺(ちゅうせんじ)に行ってみましょう。古くから「羽広の観音様」「農耕馬の観音様」と親しまれるこのお寺には、スギの巨木が多くあります。中でも一番の巨木は、観音堂の前にある「相生スギ」。
2本が1つになったのか、1本から太枝が分岐したものなのか…?幹周約8m、推定樹齢500年の大木は、空を貫くかのようにまっすぐとそびえ立っています。神秘的です…。その姿から「縁結びの木」の言われもあるようです。
他にも、山門から石段を降りた右側に、ヒノキとサワラが合体した非常に珍しい巨木があります。なんとも不思議です。
訪れると実感しますが、巨木の森の静けさとお寺の雰囲気で、心が洗われる気分になります。皆さんも一度訪れてみてはいかがでしょうか。
仲仙寺の場所はコチラ
※これまでの「巨樹・古木を訪ねて」は以下のURLでどうぞ。
①権現山のダケカンバ(伊那市)
https://blog.nagano-ken.jp/kamiina/nature/564.html
②経ヶ岳山麓の巨木(伊那市・南箕輪村)
https://blog.nagano-ken.jp/kamiina/nature/553.html
※過去の魅力発信ブログにおける上伊那の巨木コメント記事は以下のURLでどうぞ。
◆「森林(もり)の里親になりませんか?(中川村 陣馬形)(陣馬形山のブナの巨木写真あり)
https://blog.nagano-ken.jp/kamiina/local_office/587.html
◆アカマツの巨木をご紹介~伊那市長谷「溝口のカラカサ松」~
https://blog.nagano-ken.jp/mori/kamiina_forest/823.html
◆大御食神社(駒ヶ根市)(境内の御蔭杉の記事あり)
https://blog.nagano-ken.jp/kamiina/life/555.html
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