い~な 上伊那 2つのアルプスと天竜川からなる伊那谷の北部に位置し、雄大な自然に囲まれた上伊那地域。 この地域の自然、食、歴史や地域のがんばる人々など、私たち職員が見つけ、感じた上伊那の魅力と地域の活力を発信します。

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「艶三郎の井」 ~水神様になった御子柴艶三郎~

上伊那地域魅力発掘探検隊のS田です。
農業用水の水源を開削した「御子柴艶三郎」を紹介します。

伊那市荒井の伊那市立伊那中学校と竜西保育所角から市道を西(山側)に向かって進むと、丁字路のところに円筒分水「艶三郎の井」があります。
御子柴艶三郎が開削した用水で、伊那市の「まほらいないいとこ百選」に認定されています。

「艶三郎の井」の位置はココです


上伊那で円筒分水と言えば、辰野町から伊那市に流れている西天竜幹線水路沿いの近代土木遺産に認定された「西天竜幹線水路円筒分水群」が有名ですが、この分水も西天竜とほぼ同じ構造をしています。

この構造は、サイフォンの原理を利用して、円筒中心部に用水を湧き出させ、円筒外周部から越流させて、その際に外縁部に設けた穴の数によって、一定の割合で用水を配分する仕組みです。
水量が変動しても自然に同じ割合で分水できるので、分水量が多い少ないと水争いをしないで済むようなっています。

さて、この円筒分水からさらに西へ(山側へ)少し歩くと、小さな祠を祀ったお宮「水神宮」があります。
これが水神様になった男「御子柴艶三郎」を祀ったところです。そして、この上の原一帯の水田の用水の源「横井清水」の水源地になります。

「御子柴艶三郎(みこしば つやさぶろう)」なかなかいい名前ですね。
でも、その人生は壮絶なのです。
艶三郎は、現在の伊那市荒井で嘉永5年(1852)4月10日に生まれます。ちょうど、アメリカのペリーが浦賀に来たころです。

20歳を過ぎて家業を継ぎ農業で生計を立てようと考えますが、この上の原の農地には用水がありません。小沢川の上流からも取水していますが、水量が少なく常に水争いが起きていました。
このころ、上の原で水に湿った美しい砂層が発見され、そこで艶三郎は水源を掘ることを考えます。
明治15年(1882)艶三郎が31歳の時です。
それから、資金集めなどいろいろなことに精力をつぎ込みます。明治28年(1895)にようやく縦井戸(一の井)の試掘に取り掛かります。
この時、近くの春日神社に祈願しました。

「春日大明神、この上の原にどうか水をお与えください。艶三郎は命をかけてこの仕事をいたします。私の命とひきかえに農民の苦しみをお救いくださいますように」

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