信州森林づくり応援ネットワーク

あなたにちょうどいい森林との付き合い方を探す場所、それが「信州・森林づくり応援ネットワーク」です。楽しみ方を発見すれば、森林との距離はグッと縮まりますよ。信州には、森や山などの自然に魅了されている多くの人がいます。そんな人々が、きっかけのほしいあなた、つながりを求めているあなた、スキルアップしてみたいあなたをご案内します。信州の木を使った取組の話題もありますよ。

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森林を活かした地域づくりに奔走する長野県林業士

長野県林業総合センター指導部です。

当センターで実施している「林業士入門講座」では、長野県林業士として県下で活躍する皆さんのところを訪問して、その活動と地域への思いを教えていただくため、現地研修を行っています。

今回は、昨年度長野県林業士に認定された清沢さんが働く朝日村を訪問してきました。
村の87%の面積が森林となっている朝日村では、この森林を活かした林業を地域活性化の柱にしていこうと考え、村内で植林されたカラマツなどの人工林を積極的に活用する取り組みを進めており、その代表として、平成30年3月の完成に向けて村役場を木造で新設しています。
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今回は、この建設現場にお邪魔し、清沢さんの説明を受けながら役場職員として地域の林業に賭ける思いを語っていただきました。
村役場の建物は、村内の山林から伐り出した木材に徹底的にこだわっており、柱や梁などの主要構造部分は、村で最も多く植えられたカラマツが使われています。
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今回の役場建設にあたって、地域住民と森をつなげようという試みから、役場のシンボルとなるような木の寄付を募ったところ、村内にある優良な木材の提供をいただいたということで、役場の玄関ホールには樹齢300年と160年という立派なヒノキが、役場の象徴として据え置かれ、大切にシートで保護されていました。
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建物を支える構造材は、大きなホールや広い執務室を確保することから、カラマツ集成材が使われていますが、会議室などで区切られる空間では、センターで研究開発した「信州型接着重ね梁」も使われておりました。
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現在は、まだ構造部分の建設が続く朝日村役場でしたが、平成30年3月の竣工に向けてこれから内装工事なども進み、村の方から寄付していただいた天然カラマツや、ケヤキ、アカマツなどは、壁板や建具など役場完成後も見える形で使っていくとのことでした。

このように村の木を活かして使う試みは、役場庁舎だけでなく、3年前に建設した保育園でも同様に考えられ、実行していました。
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保育園では、柱や梁、腰壁のほか、室内の建具や家具に村の木材が使われています。
お話しいただいた園長先生からも建具や家具に関しては、村に住む家具職人さんが関わっており、保育士さんたちからの細かい要望をきめ細かに聞いて作られたことから、使い勝手がよく、その後のメンテナンスも村内ということで定期的に来ていただけ、安心しているとのことでした。
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このように、朝日村では、村の木材や、村に住む家具職人さんの協力をいただきながら、林業を核とした地域づくりに取り組んでいます。
でも、清沢さんが長野県林業士を目指されたのは、役場職員としての活動だけでは不十分であるとの思いから。今回は林業士養成講座ということで、そのあたりの想いもお話しいただくとともに、現在活動されている現場も見せていただきました。
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清沢さんが、林業の活性化を目指して仕事をしながらも気になっていたのが、村内にあった5軒の製材所がなくなり、林業を生業としている人も1戸になってしまったこと。
将来、林業が村の柱になるためには、次世代を担う人が、森林に親しみを持ち、山の手入れに理解を持ってもらうことが必要だと感じ、地域の先輩林業士と一緒に地域住民の一人として、役場職員としての仕事とは別に活動を始めました。
実際には、子供たちとの植林や、大人向けのチェーンソー講習会を開催しています。
講習会をきっかけに、林業の面白さに目覚めて転職したという若者もおり、植林した子供たちはその後も毎年下刈りなどの手入れにやってきているとの話を現場で聞かせていただきました。
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活動に参加する清沢さんからは、「地域には様々なグループがあるけれども、その多くが役場に頼り切った組織となっていて、自立ができていない。このままでは、本当の意味で地域づくりにはつながらない。」と考えており、講座の受講生に対しても「林業士のような人たちは、役場から自立して頑張ってほしい」とのエールを送っていました。

受講生からも「地域の人たちの目をいかに山に向けさせるのか」という意識や、「日常の業務と地域での活動をどう考えていくのか」という視点が参考になったとの声が聞かれ、この先の清沢さんの取り組みや、役場庁舎を核とした地域住民と森林との距離がどのように変わるのか期待する声がありました。

指導部では今後も、機会を見て各地で活躍する林業士の活動を追跡していきたいと考えています。

〈本件に関するお問い合わせ先〉
林業総合センター指導部
TEL:0263-52-0600
FAX:0263-51-1311
メール:ringyosogo@pref.nagano.lg.jp

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