ほっと9(ナイン)ながの 長野で働くスタッフが、長野地域の9つ(ナイン)の市町村の「ホット」な魅力をご紹介!(長野市、須坂市、千曲市、坂城町、小布施町、高山村、信濃町、飯綱町、小川村) 私たちの日々の仕事の話、「ほっと」一息つける癒しの裏話、きっと役に立つ暮らしの豆知識、おすすめ絶品グルメ…などなど、ここでしか出会えない”ながの”のすがたをお見逃しなく!(旧「ほっとスタッフブログながの」)(写真:信濃町 黒姫山))

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【信濃町・猟友会】地域の安心・安全を守る 平穏無事な暮らしのために…

企画振興課…この秋、猟友会に入会予定  “Massan” です。

先週末、信濃町猟友会が実施する鳥獣対策パトロールに同行させていただきました。尊い命にも関係するお話…多くは慎み、敬意を持って、お盆に投稿させていただきます。

(農地の調査)             (イノシシの出没箇所を確認)

(ツキノワグマはトウモロコシが大好物) 

(ツキノワグマの足跡)

信濃町猟友会は、いわゆる猟期(11月15日~2月15日)以外の間は、国や自治体からの委託を受け、生業の傍ら有害鳥獣対策業務に従事されています。近頃の猟友会活動…消防団活動ともどこか性格は似ていると思うわけですが、地域の安心・安全を守り、そして地域の皆さんが平穏無事に暮らすことができるよう、人知れず大きな労力を払い重要な任務に当たっていただいています。鳥獣対策の最前線で活動するということは、時にはツキノワグマと対峙することもあり、まさに命がけのボランティア活動、本当に頭が下がる思いです。日頃は、農家の皆さんに鳥獣対策の指導や啓発をされ、農地を巡回、時には里に近づくツキノワグマを山奥に押し戻すため、山林内に立入り人間の存在を知らせ、圧力をかけるという大変な活動も…人命はもちろん農家の皆さんが丹精を込めて育てた農作物を守るため、奔走されています。

 

猟友会の皆さんに対する印象…凄腕、豪快、職人、人並外れた行動力、ユーモアに富む、昭和の英雄…私はそんな風に思っています。一方で、銃器というたいへん危険なものを取扱う立場にあり、皆さんの責任感の強さ、極めて真剣、生真面目、強い正義感、情に厚い、命を尊ぶ…学ばせていただくことがとても多い世界、これぞプロの流儀と言うか…

さて、先日の鳥獣対策パトロール中のお話…鳥獣の出没状況を調査し、危険箇所を確認、町内全域をパトロール…その最中、農家の方よりトウモロコシ畑で鳥獣被害を受けたという相談がありました。さっそく現地へ直行、調査確認、畑の荒らし方や足跡の大きさなどから、かなり大きなツキノワグマによるものとベテラン猟友会員は、推察します。さらに、この農地の周りには数軒の家があり、人身被害の可能性も高いことから、規定に沿って捕獲檻を設置…。一刻を争う問題ですが、皆さんチームワーク良く、迅速に対応されたのは、さすが…心強い限りですね。この日の活動は、ここまで…終了となりました。

(農家の方からお話をお聞きする)     (被害のあったトウモロコシ畑)

(猟友会詰所から捕獲檻を現地まで運搬)  (会長の指示で畑からほど近い山林内に設置)

一般的には… 捕獲したツキノワグマには、耳標と言われるマークを装着し、山に放獣することが基本となります。そのため、次に捕獲された時に、同じクマなのかどうかを判別することができます。人間界の食べ物への依存性が高いことや、集落への侵入が常習化しているなど、人身被害発生の可能性がある場合には、駆除も…

 

◇社会問題化 

過疎化、社会情勢の変化…農地や里山が荒廃し、鳥獣にとって潜みやすい場所が人里各所に増え、容易に農地に侵入して農作物(えさ)にありつく。林業ほか山に立入って作業をされる方が減少し、人を知らない、怖がらない動物が人間の生活圏に侵入。野生鳥獣と人間の狭間にあった壁は崩壊し、全国的に農作物被害の増加、時には人間が襲われるという重大な事態につながることも…深刻な社会問題となっています。

 

◇捕獲や駆除の前に

(信濃町産業観光課 農林畜産係長にお話をお聞きしました)

農作物被害があった場合、まずは現地を調査確認し、農作物を守るために電気柵が設置されているかどうか、されていなければ、まずは設置のお願いをします。農家の皆さんが電気柵や鳥獣の追払いを実施しても効果がなく被害が深刻な場合や、集落内や通学路等への出没で、人身に危険が及ぶ可能性が高いときには、罠(捕獲檻)を使用して捕獲し、どうしてもという場合には、駆除を実施することも…

しかし、動物も人間と同じ地球上に住む「生き物」です。むやみに駆除したり、生態系を乱すようなことがないよう十分配慮し進めていますので、申し添えます。

(3段の電気柵の外周にトリップ線を1周設置、さらにクマが電気柵の下を掘り起こして侵入しないように鉄パイプも1周埋設されています。農家の方が、相当な苦労をされていることがうかがえます。)

 

◇電気柵を設置し動物を誘引しない工夫を

(猟友会長さんをはじめ皆さんからのお話をまとめてみました)

収穫期になりますと、ツキノワグマをはじめ動物が農作物を食べるために農地にやってきます。まずは、電気柵設置が最初の防御手段となり、被害は確実に減少します。電気柵とは、農地に入ろうとした動物が電線に触れた時にビリビリっとし、動物を驚かすことで農地に入らないようにさせるもので、怪我をさせたり駆除をするためのものではありません。

この電気柵ですが、電線の高さ、ポールの間隔など設置にはコツがあります。例えばツキノワグマは、顔(鼻先)に電線が当たらなければ効果がありませんので、設置方法がとても重要となります。通常クマ対策の場合には、電線を3~4段設置しますが、1段目を高くしすぎたり、各段の間隔を大きくすることで、容易にくぐりぬけて農地に侵入してしまいます。また、伸びた雑草などが電線に触れていることで漏電し、本来の効果が無くなってしまいますので、大変な作業ではありますが、日頃の点検管理がとても大切です。電気柵を設置しない農地の作物はもちろん、農作物のざんさ(※)を放置することは、動物を誘引する原因となります。周辺の農地にまで被害が拡大したり、近隣の皆さんに危険が及ぶことも考えられますので、注意したいところです。

※ざんさとは…大きさや形が悪かったり害虫に侵害されて出荷ができない野菜、つる、葉など

 

■電気柵購入費に対する補助制度

市町村により、補助制度がある場合もありますので、窓口でご相談されることをおススメします。

 

■電気柵らくらく設置法と豆知識(須坂市の協和テクノ株式会社さんのホームページより)

電線の間隔などわかりやすく記載されていますので、ぜひご参考に… 詳しくはこちらをクリック

 

農地に放置されたざんさ)

(電線に草が接触)

 

◇冬の鳥獣対策活動

鳥類による漁業被害も深刻化し、野尻湖のワカサギをはじめ、つり堀でも被害が発生しています。こちらの画像は、この2月に野尻湖で駆除を実施した際に撮影したものです。

 

 

◇最後に…信濃町猟友会からのお願い

新規 会員 絶賛大募集!!とのことです。

多い時には100人以上の会員が在籍していた信濃町猟友会も、今では30人ほどに…。鳥獣被害が深刻化する昨今、猟友会活動にご理解をいただき、ご協力をお願いできましたら、幸いです。

狩猟免許の取得方法については、長野県ホームページをご覧ください。また、信濃町猟友会入会については、信濃町猟友会事務局まで、お問合せいただければと思います。(入会の要件:信濃町内にお住まいで狩猟免許を有する方)

■狩猟免許等試験のお知らせ(長野県ホームページ)詳しくはこちらをクリック

■信濃町猟友会事務局(信濃町役場農林畜産係内)電話026-255-3113

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