林務課のSです
前回に続き、今回も個人的に参加してきたイベントについてです(仕事しろ)
9月7日から10日、日本哺乳類学会の大会が南箕輪村の信州大学農学部で開催されましたので覗いてきました
大会は国内の哺乳類の研究者が一堂に会して、それぞれの研究内容を発表しあい情報交換するもので、対象になる動物はネズミからクジラまでと非常に幅広いですが、近年は全国的に野生鳥獣被害が大きいことから、シカやイノシシ、クマ等の発表が多くなっています
- イノシシの密度は「掘り起こし跡の密度」と相関する(イノシシは人目を避ける動物なので、今まではいい手法がありませんでした センサーカメラ調査での推定とあまりにきれいに相関するので、会場のそこここから賞賛のつぶやきが)
とか
- クマに山岳遭難者捜索用の発信機を付けてドロ-ンで位置を把握する(今まで使っていたGPSは高い 遭難者捜索用発信機は子機1,000円 また、谷間に入ったりすると電波が届かなくなって回収不能になることもありました……)
ちなみに、バッテリーが30分しかもたないのが一番の課題だそうです
など、今後の被害対策や生息管理につながりそうな発表もありましたが、一方では
- センサーカメラのみでシカの生息数を推定 ― 非常に有効な手法のようですが、設置が完全にランダムじゃなきゃいけないので、とんでもない山奥などであっても設置が必要 (発表者曰く「学生にやらせてます」)、全体を知るためにはカメラが大量に必要 (5km×5km設置として全県では4万台)
とか
- クマのバイオロギング(動物に直接小型カメラを取り付けて記録する調査、近年、クジラやアザラシ等の行動調査で効果を発揮しています) ― 1日の7割くらい体を丸めて寝ているため、自分の身体しか写らない 動いている時も、たてがみ(ライオンほどではありませんがオスのクマにもあります)が邪魔で何が写っているのかわからない
というような、実用にはまだまだ検討が必要な発表もありました
※ 著作権関係で撮影禁止でしたので写真は撮れませんでした
また、一般市民向けの公開シンポジウムもあり、長野県が動物にとっても地質学的にも、西日本と東日本の境目の特別な地域であることが発表されていました(東日本は大陸のロシア側から、西日本は朝鮮半島側から分かれてき合体して日本列島になった)
基礎知識不足でついていけない発表もたくさんありましたが、とっても賢くなれたような気がしました まあ、気がしただけですが……今後、野生動物被害の対策に少しでも役立てられればと思っています
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