みなさん、こん〇〇は。浅川改良事務所のTです。
県では、「浅川第三排水機場」を6月20日に運用開始しました。
そして、9月24日(月・祝)に初めての現地見学会を開催したところ、約70名の皆さんに参加していただきました。
ん?「浅川第三排水機場」?
…「排水機場」?…「第三」?
そうですよね。
一級河川の浅川は、長野市街地の上流に浅川ダムが整備され、川の底が周りの土地よりも高くなっていた天井川も解消されたことから、浅川の流域に降った雨に対する浅川自身の治水安全度は飛躍的に向上しました。
しかし、浅川の下流域、千曲川の合流点付近は、浅川より千曲川の堤防が約7mも高く、その上流の東信地域や中信地域で大雨が降った場合には、浅川の水位より千曲川の水位が高くなることがあります。
そんなときには、千曲川から浅川への逆流を防ぐために、千曲川側にある樋門(水門ゲート)が閉じられます。
そうすると、上流から流れてきた浅川の水は、千曲川へ流すことができなくなってしまうので、何とかして、その水を千曲川に流さないと、浅川側であふれてしまうことになります。
これを「内水氾濫(ないすいはんらん)」というのですが、そうならないように、浅川の水を千曲川にポンプでくみあげる施設、それが「排水機場」です。
浅川の下流域には、もともと整備されていた排水機場が2つあったのですが、それだけでは、戦後最大の内水氾濫による被害が発生した昭和58年9月の台風10号と同じ規模の豪雨があった場合、長野市豊野地区や長沼地区では、200戸を超える住宅で床上浸水被害が発生してしまうことがわかっています。
県では、長野市などと協力して、少なくとも床上浸水被害をなくそうではないかという目標を立て、その一つのメニューとして、新たに3つ目の排水機場である「浅川第三排水機場」を整備し、今年6月に運用を開始しました。
「浅川第三排水機場」には、1秒間あたり14m3の水をくみ上げることができる大きなポンプが1台設置されています。
これまでの2つの排水機場のポンプ5台と合わせると、1秒間あたり58m3の水をくみ上げることができますが、これは、25mプールの水を7~8秒で空にすることができるくらいの能力です。
このことで、豊野地区を中心に、床上浸水被害への対策が大きく進んだことになります。
ただ、目標に対してはまだ道半ば。
今後、追加の排水ポンプの整備や堤防のかさ上げなどの対策を行い、目標の達成に努めていきます。
加えて、地球温暖化などの原因で、これまでの実績を超えるような豪雨が、全国各地で発生していることを考えると、内水氾濫にかかわらず、異常気象とも言われる異次元的な豪雨に対しては、これらのハード対策だけでは、どうしても限界があります。
皆さん。
日ごろから、「予想を超える豪雨は必ずある!」と肝に銘じましょう。
そして、市町村から配布されているハザードマップなどから身近にあるリスクや万が一の際の避難経路、避難場所を確認していただくとともに、非常食や水の備蓄、携帯ラジオ等の情報収集手段の確保など、小さなことから、できることから始めましょう。
これからも、「浅川第三排水機場」、そして「浅川ダム」の現地見学会を随時開催していきますので、ぜひお越しください!
お待ちしています!
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