みなさまごきげんよう。林務課のwです。
第2回森林組合現地研修会(若手職員のための実践的現地研修会)が行われると聞いて、千曲市大田原の現場へ行ってまいりました。
今回は長野森林組合更埴支所の北島係長(森林施業プランナー)の担当ということで、千曲市の現場が研修会場になりました。
筆者も何度か更埴支所のみなさんと仕事をしたよく知っている現場なのですよ。エヘン!
実はこの現場では、筆者がコンパス測量のお手伝いを一部したのですが、今回の研修でその箇所をGNSS(ものすごく精密な衛星測位システム。誤差1.8cm!!)で測量するとの情報を得ました。筆者の測量精度の未熟さが露呈するのは確実で、まさにガクブルものです
さて、今回の内容は、①更新伐のススメ、➁GNSSによる造林事業調査、➂ドローン実習、④トゥルーパルスによる樹高測定 です。
①更新伐のススメ
長野県の森林は戦後植栽されたものが多く、高齢化が進んでいて、スギやカラマツなどの若い木がほとんどありません。
若返りをはからないと、将来継続的に木材生産ができなくなってしまいます。
そこで、現在の林業は森林を伐ったらそのあとに気を植える「更新の時代」が到来しています。
森林を若返らせる「更新伐」とは、木材として利用できる樹齢の森林を全面的に伐採して、新たにスギやカラマツの苗を植えるというものです。
しかし、いっぺんに大面積の森林を全部伐ってしまうことは、防災上問題があることや、その森林の木が木材として使えるまでにまた何十年もかかってしまうことを考えると、小面積に区分して伐採と植栽を5~6年ごとに順次行い、持続的に木材を生産できるという方法(長期育成循環施業)を今回の現場で採用しました。
←長期育成循環施業のイメージ
➁GNSSによる造林事業地調査
さて、問題のGNSSです。GPS(アメリカの衛星)だけではなくロシア、中国、EU、日本(みちびき)などたくさんの衛星から電波を受信して、より精度の高い測位をする方法です。
造林事業の補助金額は、面積で算出するので、正確な測量が求められます。
これまでは2人以上で巻き尺やコンパスを用いて行っていた測量が、1人でできてしまうという画期的な技術です。
ポールの先に受信機を取り付けます。
スマホの地図アプリでデータを確認・保存できます。
ちなみに、Phone 12以降にはGNSSが搭載されているので、同じような精度の測量ができるそうです(※未確認)。(上空が開けていたからか)筆者の(GPSのみ)スマホでさえ、今回のGNSSの緯度・経度にかなり近い値が出ていました(※確認済み)。あと、筆者の測量精度については、明るみにでなかったことを申し添えておきます
➂ドローン実習
みんな大好き、ドローン実習です。
ただでさえ広くて歩きにくい森林内を調査するために、道が無いところを上ったり下ったりしなければならなかったのに、上空から一発で確認できてしまうんです。
初めてのかたも、みなさんとても上手に操縦していました。ドローンには様々な機能(バッテリーが少なくなったら自動で戻る、GPS測位完了するまで高度上げない、ぶつかりそうになったら止まる、風が吹いても平衡を保つなど)が搭載されています。
正しい操作方法(高度を守る、見える範囲で飛ばす等)を守っていれば、「落ちる」「どこかへ行っちゃう」というようなトラブルは、ほとんど起こりません。
こんなに詳細な写真が撮れてしまいます。AIで樹種、樹高も判定できる時代です。どこを伐採したか、すぐわかりますね。
④トゥルーパルスによる樹高測定
「トゥルーパルス」とはレーザーの反射を利用して、距離をはかることができるツールです。
筆者は、双眼鏡かな?と思ったのですが、聞いてみると実はかなり高価
練習で軽バンの車高を測ったあと、アカマツの樹高を測定しました。原理は、三角形の底辺と斜辺を測定し、三角関数(タンジェント)を利用して高さを計算するものです△
ドローンの飛行高度を利用して測ったものとほぼ同じ樹高になりました
ドローンで記念撮影をして今回は終了!!
次回(第3回)の研修会は北部支所の伊東プランナーが企画担当で行われます。筆者は北部支所担当なので、少しでもお役にたてれば!と意気込んでおります
よろしくお願いいたしますww
【追記】
研修の翌日は、「地拵(じごしらえ)クラッシャー」の現地実演会のため、信濃町の霊仙寺山国有林へ行ってきました。
伐採後に木の苗を植栽しやすくするためには、「地拵え」という大変な整地作業が必要です。
「地拵クラッシャー」が切り株を破砕することで、林内へ大型機械が侵入しやすくなり、作業効率が大幅にアップします。
「地拵クラッシャー」は、大型の油圧ショベルの先端に取り付けるアタッチメントです。
このような歯が回転することで、切り株を跡形もなく削り取ってしまいます
林業のプロたちが興味津々!
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