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小さくてもキラリと光る取組み5

 林務課です。

 平成24年度に行った「小さくてもキラリと光る取組み」事例を紹介しています。

 第5回目は、「帯状更新の普及の可能性について」です。




 1 背 景 
 現在森林は約7割が8~12齢級に集中している偏った齢級構成となっています。多様な森林環境を整えていくためには更新を行っていく必要がありますが、大面積皆伐が行えない時代であることや補助金を得ながら更新を行っていかざるを得ないのが現状となっています。現在、更新伐は補助事業の対象となっていますが、坂城町では平成15年から帯状に伐採して植栽をする更新方法が行われており、下層木の生長を調査することにより、帯状更新を普及していくことができるかを検証しました。

 2 調査内容
 下表の箇所で、立木位置、樹高、胸高直径、植栽帯幅等を測定した。





3-へー25林班



17-い-1林班

 3 調査結果




※1 本数はha当たり本数
 2 枯損の(( %))は、植栽本数(ヒノキ:2,500本/ha、ヒノキ:3,000本)から計算
   した枯損率
 3 樹高について
   下層ヒノキ箇所は、地位と林齢から判定した樹高の約125%、下層カラ
   マツ箇所は、地位と林齢から判定した樹高の約36%となっている。

 4 考 察
 ・カラマツ-ヒノキ箇所は、下層ヒノキの生育はよく、順調に更新が進んで
  いました。
 ・カラマツ-カラマツ箇所は、下層カラマツの樹高は非常に小さく、植栽時
  からの木の残存率が25%、獣害率が残存本数の67%に達していることから
  更新が順調に進んでいないと推察されます。
 ・カラマツ-ヒノキ箇所において、より日の当たりやすい帯中央部の方が成
  長がよいか、また帯の東側と西側で生育が異なるかを検証しました。(下
  図)その結果、帯内位置と樹高には相関関係は認められるとは言えませんで
  した。
 ・相対照度は未測定であるが、過去の調査から50~60%程度と推察されま
  す。
  その場合の樹高及び胸高直径は相対照度100%箇所の約9割となり、著し
  く成長が阻害されたとは言えないと思われます。坂城町内には同様な帯状
  更新地が10か所約31haあり、植栽帯幅約7~15mでありますが、その9割
  の箇所においては同様に下層ヒノキの成長が著しく阻害されているとは感
  覚的に認められませんでした。
 ・以上により、カラマツで7m以上の帯で伐採をし、下層にヒノキを植栽す
  る方法は、有用であると推定されます。なお、同様な研究は「長野県林総
  セ研報第9号(1995)」に記載があります。
 ・カラマツ-カラマツ箇所の相対照度も未測定ですが、過去の調査等から
  60%以上と推察されます。(カラマツ-ヒノキ箇所より上層カラマツの植
  栽帯上への枝の伸びが小さく、植栽幅も広い)にもかかわらずカラマツの
  樹高が相対照度100%箇所の約4割であることから、カラマツの下層にカラ
  マツを植栽する場合は、12m程度では足りないと推察されます。制度上
  40mの植栽帯幅も設定できますが、そのくらい広くするのであれば、1ha
  以下の小面積伐採を行うモザイク状更新を行った方が作業効率からも、
  下層木の生育上もよいと思われます。
 ・下層カラマツ植栽地では剥皮(48%)、先食い(8%)、枝食い(10%)等の
  獣害が多く発生していました。これから更新施業を行うときは、獣害対
  策をしっかり行っていくことを前提にする必要があるものと感じました。
 ・特にカラマツは草と色が似ているため、誤伐する可能性が非常に高いと
  感じます。前世代では手刈りで行っていた下刈り作業が現在ではほとんど
  機械による刈払いであるため、この点にも十分留意する必要があると感じ
  ました。

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