2018.08.16 [ 林業総合センター ]
林業を知る入り口となった高校生林業体験
長野県林業総合センター指導部です。
県では、高校が夏休みに入った8月上旬に県下の高校生が林業に興味・関心を持ってもらうことを目的とした高校生林業体験研修を開催しています。
今年は、8月2日~4日の日程で開催しましたが、全国総文祭の直前だったこともあり、参加してくれた高校生は16名と普段よりは少なめでした。
林業に関する試験研究と技術指導を行っている林業総合センターでは、実際の試験研究の一端に触れてもらうことと、林業技術を理解してもらうことを目的に研修を実施しました。
この研修で、参加者に一番人気があるのが、チェーンソー作業。研修では、全員が実際にチェーンソーのエンジンをかけて、木を伐る体験をしてもらっています。参加される高校生に人気があるチェーンソー作業なので、これは外せないのですが、3日間かけて林業に関わる多くの経験ができるからと、高校1年生の時から毎年参加してくれる熱心な生徒も見られます。
こうしたことから、研修の内容は毎年少しずつ変えながら実施しています。
新しい研究施設を増築した木材部では、樹種による密度や香りなどの違いを肌で体験してもらおうと、同じサイズに切りそろえた樹種や部位が異なる試験体をたくさん集めてきました。
生徒さんに実践してもらったのは、試験体を高く積み上げるという積み木。
「積み木」と聞くと、遊んでいるかのように思われがちですが、同じ大きさであっても、樹種によって重さも違いますし、同じ大きさに伐った木材であっても、部位や個体によって、微妙な反りや曲がりが出るため、高く積み上げるのは大変。
グループごとに話し合いをしながら、協力して積み上げた結果、最後は天井に届きそうな勢いで試験体を積み上げることに成功し、生徒同士のコミュニケーションも高まったようです。
昨年度の研修では、原木の天地返しを体験してもらった特産部では、シイタケの収穫を体験してもらいました。
原木から発生したシイタケを収穫し、規格に適合するかどうかを調べるとともに、重量を測定し、データを集めます。集まったデータが、シイタケ栽培の重要な資料になっていくため、生徒も真剣な表情で作業を進めます。
このほか、ドローンを用いた森林調査の方法などを学び、当センターで行っている試験研究の一端を感じてもらいました。
さらに2日目の夕方には、高校生の時にこの研修に参加し、林業大学校へ進学し、卒業後に林業の現場で働き始めて1年半という若い技術者に来ていただきました。当日は、実際の山仕事を実演してもらうとともに、夕食にも加わっていただき、林業大学校での生活や普段の仕事について生徒の質問に応えてくれました。
高校生林業研修では、毎年最終日に、木曽町にある長野県林業大学校を訪問します。
長野県林業大学校では、この研修にあわせてオープンキャンパスを開講しており、林業大学校への進学も視野に入れている生徒も参加してくれます。進路のひとつとして考えている生徒にとっては、オープンキャンパスの中で実施してくれた模擬授業の様子や、寮の食事体験などから、進路のひとつとして林業大学校を感じてくれたようでした。
研修終了後に、参加していただいた生徒から頂いたアンケートを見ると、現場で働く人の声が聞かれたことで、林業への魅力を感じてくれた人や、林業大学校への進学を考えるようになった生徒もいましたので、若い人たちで林業を盛り上げていただければよいなあと感じています。
〈本件に関するお問い合わせ先〉
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FAX:0263-51-1311
メール:ringyosogo@pref.nagano.lg.jp
〈高校生林業体験研修については〉
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