2018.08.16 [ 林業総合センター ]
森の生き物を探してみよう~成城学園中学校高等学校科学部合宿~
長野県林業総合センター指導部です。
東京都世田谷区にある成城学園中学校高等学校の科学部に所属する高校生9名と先生が松本市にやってきました。
目的地は、松本市入山辺にある「成城学園ふるさとの森」。
ここは、自然と親しむ教育を掲げる成城学園が、創始者である澤柳政太郎さんの故郷である松本市の森林を教育の場として活用しようということで、名付けられた森。
これまでに、記念植樹や学園祭でのシラカンバの利用などが行われてきました。
ふるさとの森が開設された平成27年7月に、成城学園で育てられた苗高30㎝ほどのコナラが記念植樹されましたが、信州の寒さにも慣れ、やっと80㎝を超える大きさとなり、すくすくと育ち始めました。
松本市にある「成城学園ふるさとの森」とは、どのような森なのでしょうか。
都内でも緑が多いことで知られる成城学園と比較してみようということで、今回、成城学園中学校高等学校の科学部が調査に入ることになりました。
県木のシラカンバに囲まれた森に入った生徒は、生き物を探して歩き回り、早速ナナフシやゾウムシなどを見つけていました。
今回の合宿では、こうした昆虫が棲む森の植生調査も行いました。
木の高さや太さを調べるとともに、生えている植物を調べて、シラカンバの多い「成城学園ふるさとの森」の様子を整理しました。
世田谷区にある成城学園は、都会の中でも緑の多い学校として知られており、生徒さんと話をしていると、タマムシやアオスジアゲハなど多くの昆虫が生息しているようですが、普段とは異なる環境で、改めて違う虫に出会えたことを喜んでいたようです。
特に、都会では放置されることがない枯れ木があることで、枯れ木を利用する生き物にも出会えます。さらに、枯れ木は写真のように不思議な空間を作り出すことから、生徒たちにも評価され、森でのひと時を楽しんでくれたようでした。
森では、夜に地上を歩き回る昆虫の調査や、哺乳類の生息状況調査などもあわせて行い、ニホンジカの足跡を石膏で型取りを行うことや、赤外線カメラを設置して野生動物の行動を追いかけるなど多岐にわたる調査を進め、森の様子を明らかにしていきたいとのことでした。こうして現地で集めた情報を解析し、秋に開催される文化祭で報告されるとのことで、その内容にも興味が湧きました。
成城学園と長野県は、平成26年3月に連携協定を締結し、今回調査を行った「成城学園ふるさとの森」は、平成37年3月までの10年間、県有林の利活用協定が結ばれています。
自然と親しむ教育を進める成城学園との連携がより良い形になるよう、これからも協力していきたいと思います。
〈本件に関するお問い合わせ先〉
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メール:ringyosogo@pref.nagano.lg.jp
〈県有林の利活用協定については〉
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