2016.12.07 [ 林業総合センター ]
岐阜県の森林・林業に触れる~森林・林業セミナー~
長野県林業総合センター指導部です。
当センターが実施している「森林・林業セミナー」では、森林・林業に関わる幅広い分野の研修を進めています。
普段の研修は、林業総合センターの構内を中心に行っていますが、長野県とは違う空気を経験していただければと考え、昨年度から岐阜県にお邪魔しています。
11月16日から17日にかけて実施した今年の研修では、最初に山県市の中原林業に伺いました。ここを訪ねたきっかけは、岐阜県立森林文化アカデミーの活動報告です。その報告の中で中原林業では、植えた直後から100年以上を経た大きな木までを連続して観ることができるとのことでした。林業は、「植えて、育てて、伐ってまた植える」という、循環させることが特徴ですが、長野県内の民有林では30年生以下の人工林が非常に少なく、循環している雰囲気を感じる現場はなかなかありません。
そこで、中原林業の中原社長さんに現地研修をお願いしたのですが、研修の1ヶ月ほど前に「大雨で山に入る道が崩れて通れなくなったので、工事の都合によっては場所を変えるかも」とのことでした。
どうなるのかわからずに当日を迎え、山県市にある中原社長さんのご自宅にお伺いしたところ、残念ながら道路は工事中のため、別の現場へ案内していただけることになりました。
中原さんの先導で現場へ向かうのですが、自宅からはどんどん離れ、とうとう峠を越えて隣の本巣市へ。本巣市に入っても車は止まらず、さらに山の中を進み、結局ご自宅から30分ほどかかったところでやっと目的地に着きました。
どうしてこのような遠いところに所有山林があるのかなと思っていたら、山火事などで自分の財産が全滅しないように離れた流域の山を購入しているからとのことでした。
林業で発生するリスクを考える林業家の知恵を垣間見る一瞬でした。
今回見せて頂いた本巣市の森林は、50 ~60年生程度のスギ林が中心で、中原林業が主に皆伐を行っている80~90年生や、植えたばかりの森林を見ることはできませんでした。
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