2016.12.06 [ 林業総合センター ]
伝統ある有名林業地に触れる
林業総合センター指導部です。
地域の森林・林業現場で主体的に活躍する人材を育てることを目的とする「林業士入門講座」では、地域住民とともに、林業を核とした地域での活動の実践を指導しています。
こうした活動の参考とするため、10月19日から20日にかけて、高等学校の林業の教科書にも載っている林業地の一つである静岡県の天竜市を訪ね、有名林業地における林業事情を学んできました。
天竜地域は、江戸時代に端を発し、明治時代に天竜川の災害を防ぐとともに木材生産も両立させた金原明善氏の一大造林事業により、日本有数の林業地として発展した地域として知られています。
この地域の林業を知るために、まずは、天竜地域で活躍する林業事業体である「(有)天竜フォレスター」へ伺い、森林の様子を見せていただきました。
「(有)天竜フォレスター」は、所属する森林施業プランナーが所有者と話をしながら森林経営計画の認定を受け、健全な林業経営を進めている林業会社で、現在は間伐材の搬出に取り組んでいます。
天竜市内にある事務所を訪れて概要をお聞きしたときに、研修生が感動したのが、事務所がとてもきれいに整理整頓されていたこと。設立から26年が経過していますが、事務所内はとてもきれいで、なおかつ作業の進捗等が誰でもわかるように工夫されていました。
その後、「(有)天竜フォレスター」が間伐を行っている現場に案内していただきました。
60年生のスギ林で間伐作業を行ったところでしたが、枝葉のついた間伐木が切り倒したままの状態できれいに並べられ、持ち出す準備をしていました。ここに並べられた間伐材は、連携している製材工場などからの注文に応じて必要な寸法に切りそろえて出荷しているとのこと。
また、こうした間伐作業は、会社が所有者との話し合いで定めた5年計画に沿ってすすめており、1年以上前から調査をして一本一本品定めを行い、残した方がよくなる木を吟味して、それ以外の木を間伐しているとのことで、品質の良い木材を生産するために多くの努力をされている姿勢が見て取れました。
研修生も、販売先の需要に合わせたきめ細かい生産方法や流通方法、ていねいに作られた作業道など、多くの事柄に感心しながら、太陽が傾くまで熱心に議論をしていました。
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