2015.11.16 [ その他 ]
安心して安全な木材を使っていただくために
林業総合センターです。
秋のある日、いつもより少し早めに出勤したところ、実験室に灯りがともっていたので、ちょっとのぞいてみました。
実験室に入ってみると、目の前に広がってきたのは大量の木片。
実験台にずらっと並んだ木片の隙間で、木材部の研究員が木片の重さを量っていました。
実験台の上に並んだだけでも50個ほどの試験体が置かれ、「朝から大変ですね」と声をかけたところ、「実験台の裏にも並んでいるよ」とのことで回ってみると・・・。
ここにもずらりと。
並んでいる材料は、住宅等の梁に使うことが出来る「接着重ね梁」と呼ばれる木材の一部。「接着重ね梁」というのは、県内に多い50年生ほどの間伐材から採れる角材を接着剤で貼り合わせ、無垢材に近い質感を持たせた、林業総合センターで開発中の新しいタイプの梁材です。
この木片を実験室に並べて何をしているかと尋ねてみると、「接着重ね梁の接着工程の品質を確認するため、水に浸けた後で乾燥させ、確実に接着できているかを調べている」とのこと。
重さを量って乾燥機に入れた試験体を良く見てみると、確かに水を含んでいるのがわかります。
研究員の話では、今回の水に浸ける試験以外に、煮たり、様々な方向から力を加えて割ったりする試験を重ねているとのことです。
このようにして性能を確認した接着重ね梁は、皆さんが住む家の梁として使われるほか、保育園や公民館などの公共施設でも使われるようになります。
長野県産の間伐材を無駄なく、上手に使うことができる「接着重ね梁」ですが、その舞台裏では、安心して皆さんに使って頂けるように、研究員による地道なデータの蓄積が行われています。
試験研究というのは、ノーベル賞のように華やかな話題になる成果が生まれるまでの間に、こうした地道なデータの積み上げが沢山あるようです。
ちなみに、ちょっと早くから来ていた原因を聞いてみると、「性能を評価するためには、適正な乾燥状態で測定しなければいけないので、仕方がなく・・」とのことでした。
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