2014.09.13 [ 自然・山・花 ]
露の音に 【井月さんのこころ77】
井月さんのこころ シリーズ その77
8日(月)は、二十四節気の「白露」で、かつ「中秋の十五夜」でした。
雲が多くて、十五夜は上手く写真に納まりませんでした。写真は翌9日の満月(スーパームーン)です。
一般に旧暦の七月八月九月が秋で、「白露」から「秋分」を経て「寒露」までが「仲秋」なのですが、今年は、「白露」と旧暦8月15日が重なり、「寒露」と旧暦9月15日(10月8日)が重なり、更に旧暦閏9月15日(11月7日)が「立冬」に重なるという珍しい年です。
「今年の中秋の名月は38年ぶりの早さ」と、8日朝のテレビが伝えていましたね。
調べてみますと、計算上で最も早い十五夜は9月7日、最も遅いのは10月8日になるのだそうで、約一か月の幅が生じます。最近10年間で最も遅かったのは、2006年(平成18年)の10月6日でした。
次回9月8日が十五夜になるのは2033年。あと19年後です。この年は旧暦(天保暦)が1844年(天保元年)に使用されて以来、閏月の入れ方が初めて破綻する年で、厳密には中秋の名月を決められないという特殊な年なのだそうです。
天保暦のルールでは、秋分(八月中気)を含む月は8月、冬至(十一月中気)を含む月は11月とするということなのですが、2033年はその間に朔(新月)が1回しかないので2か月が入らないのです。
今年は、霜降(旧暦九月中気:10月23日)と小雪(旧暦十月中気:11月22日)の間に朔(新月)が2回あるので、閏9月が入ります。
旧暦2033年問題(自然科学研究機構 国立天文台)
http://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/topics/html/topics2014.html
天保暦は、公式には1872年(明治5年)で終了しています。明治5年は井月さん51歳、この年の2月に、それ以降の井月さんを悩まし続けることになった「壬申戸籍」が施行されています。
ところで、昨年の十五夜は9月19日(月齢13.6)で、その前後は晴れの日が続いて月見には最適でした。
仲秋に月眺める頃【井月さんのこころ27】
https://blog.nagano-ken.jp/kamiina/nature/237.html
月齢の話は、後の月愛でる頃【井月さんのこころ31】をご覧ください。
https://blog.nagano-ken.jp/kamiina/life/211.html
そして、今年の十五夜の月齢は13.5で、満月は翌9日の月齢14.5なのでした。
月は、地球の周りを楕円軌道(約35万6000kmから40万6000kmまで)で回っているので、地球からの距離は一定ではありません。そして、地球からの平均距離は約38万4400キロメートルですが、毎年3.8センチメートルずつ遠ざかっており、少しずつ月の公転が遅くなっているのだそうです。
現在、月の公転周期は、27.321662日で、公転周期と自転周期が同じなので、いつも地球から見える面は同じですが、地球も公転周期365.25636日で太陽の周りを移動するので、朔望周期は公転周期より2.2日ほど長い29.530589日となります。
こうして月は30日弱で満ち欠けしているのですが、一年に12回とプラスαが生じるので、旧暦では閏月ができることがあるのです。閏月は、ほぼ3年に1回、19年に7回入ることになり、今年の場合は、前述のとおり閏9月が入ります。
更に、今年の場合は、十五夜の翌日9日の満月は、満月(又は新月)が地球に最接近するという「スーパームーン」になりましたから、同じ満月でも大きな月が眺められたのです。今年は「満月スーパームーン」が3回もある特異年(7月12日、8月10日、9月9日)で、特に8月は最も小さい満月と比べると、大きさが14%、明るさが30%増した月が眺められたとのことです。こんな大きな満月が見られるのは、次は20年後だそうです。
暦Wiki「大きな満月、小さな満月」(自然科学研究機構 国立天文台)
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