い~な 上伊那 2つのアルプスと天竜川からなる伊那谷の北部に位置し、雄大な自然に囲まれた上伊那地域。 この地域の自然、食、歴史や地域のがんばる人々など、私たち職員が見つけ、感じた上伊那の魅力と地域の活力を発信します。

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雪積む頃【井月さんのこころ46】

井月さんのこころ シリーズ その46
 昨秋、竣工した上伊那農業協同組合(JA上伊那)南箕輪ライスセンターの400tサイロ5基です。
 夏の暑さや冬の雪の中でも、お米を一定温度で乾燥させたまま蓄えておくことができる米穀の乾燥調整貯蔵施設(カントリーエレベーター)です。
  写真:JA上伊那「南箕輪ライスセンター」




 雪雲に煙る中央アルプスの山々を背景にした、冬の南箕輪ライスセンターです。



 さて、昨年の暮れ12月24日に開催した長野県農業再生協議会上伊那地方部(部会長:地方事務所長)の会合において、平成26年産米の市町村別生産数量目標を配分しました。
 全国的な米の需要量の減少と在庫量の増加などにより、国から長野県への配分は前年比3.8%減と3年ぶりの減少となり、県では直近3年分の算定ルールを踏襲し、激変緩和措置を講じた上で市町村ごとの生産数量目標を示したところでありました。
 上伊那地域全体では、県平均を上回る減少率4.6%減の28,973トン(前年比1,402トン減)、面積換算約4,525ha(前年比約215ha減)が割り当てられました。
 地方部会合において市町村農業委員会長さんなどから他地域と比較した公平性に対する疑義が示されましたが、生産者団体のJA上伊那を中心とする「米による転作の推進」を基本に、作付面積・数量の過不足を市町村間で平準化する「市町村間調整」と市町村単位で構築する「とも補償」により、上伊那に配分された生産数量目標を100%活用していくことでの基本合意をいただいたところであります。

 今年に入って1月14日付けでJA上伊那の組合長から地方部会長宛に「米の生産数量目標の配分に係る要請書」が提出されました。
 その要旨は、上伊那地域へ配分された生産数量目標に対して多くの生産者から強い抗議が寄せられていること。上伊那管内において市町村とJAが一体となって行なっている担い手への農地の利用集積や管内全域での集落営農の組織化など、他地域に先んじた取組が評価されておらず、他地域に比較して大幅な減少となっていること。ついては、次期算定ルールに当たって、これらの内容が評価される算定ルールになるよう県に強く働きかけるようにとの要請でありました。

 これを受けて、1月22日付けで長野県農業再生協議会長である県農政部長宛に文書で要請内容を伝えることとし、24日(金)の朝、所管の農業技術課長を訪ねて上伊那地域の実態を説明し、27年産米のルール化に向けた配慮を要請してまいりました。

 上伊那地域は、農業生産額に占める米のウエイトが33%(H23産約70億円)と高く、JA全農長野が集荷したシェア19%(H23産米)は県下トップであり、「かみいな米」の全国ブランドを確立すべく取り組んでいるところです。
 現在、米穀の乾燥調整貯蔵施設の再編整備が行なわれている最中であり、今年度においてはJA上伊那の南箕輪ライスセンターの400tサイロ5基の新増設を初め、美篶3号及び飯島のカントリーエレベータの乾燥機増設等を行い、昨年末までに竣工いたしました。

 平成29年度をもって行政が関与する生産調整政策は廃止されることになりましたが、上伊那地域では、今後とも県内トップクラスの米産地として持続的な水田農業を継続するため、担い手への水田の利用集積による規模拡大と乾燥調整貯蔵施設等の計画的整備並びに利用拡大による低コスト生産を進めるとともに、環境にやさしい米づくり等による食味の優れた高品質な米の生産を推進してまいることとしております。
 
 夏の暑さや冬の雪の中でも、お米を一定温度で乾燥させたまま蓄えておくことができるカントリーエレベーターの話題からの前置きがだいぶ長くなってしまいました。

 さて、雪の日に井月さんが詠んだ句も数え切れないくらいあります。

  世の塵を降りかくしけり今朝の雪  井月

  写真:新雪が朝日に輝く伊那谷北端の霧訪山(きりとうやま:標高1305m)



 そしてまた、
  雪の日や酒の機嫌を訪(とひ)に寄る  井月

 お酒のお相伴に預かって「千両千両」と喜んでいた頃の井月さんはよかったのでしょう。
 しかし、60歳を過ぎた頃の井月さんには、次第に行き先が少なくなっていったようです。

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