い~な 上伊那 2つのアルプスと天竜川からなる伊那谷の北部に位置し、雄大な自然に囲まれた上伊那地域。 この地域の自然、食、歴史や地域のがんばる人々など、私たち職員が見つけ、感じた上伊那の魅力と地域の活力を発信します。

い~な 上伊那

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よき草「蕗の薹」のように【井月さんのこころ5】

井月さんのこころ シリーズ その5
伊那谷に春が訪れ、水が温む頃、田畑の土手に蕗の薹が顔を出します。

 よき草のなれも数なり蕗の薹  井月
羽二重のたもと土産や蕗の薹  井月
富貴のとう玉と取得しここちかな  井月

井月さんは、そんな道草で摘んだ僅かばかりの蕗の薹を手土産に、伊那谷各地の家々を訪ねて寄食していたのでしょう。

以下、「よき草のなれも数なり蕗の薹」の評釈について、井上井月研究者である竹入弘元氏の「井月の魅力 その俳句鑑賞」(ほおずき書籍)から引用させていただくと・・・、

ふきのとうは、風味・苦味まことよき草ではある。この句の碑が、一九八八年 井月の故郷とされる新潟県長岡市成願寺温泉養寿館に建てられた。井月に「よき草も数多の中に蕗の薹」、「よき草も数多が中に芹薺」という類句がある。大星光史著『風呂で読む井月』に「井月にとって、この蕗の薹のいじらしさ、つつましやかさは、自分の姿に似通うものと思えた。」とある。
(蕗の薹・春)

田畑の土手に春を寿いで開く蕗の薹を愛でている井月さんの姿が浮かびます。

ミニエコー「クモハ123-1」

蕗の薹のように「つつましく」JR辰野線を走っていたミニエコー電車が惜しまれながら、先月引退しました。

 ミニエコーよき草の如(ごと)弥生尽
青巒

遡回(その2)の続き
 東風(こち)吹きて女雛帰国すセントレア
青巒

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