2016.01.30 [ 歴史・祭・暮らし ]
消防喇叭と鷹の声に 【井月さんのこころ151】
井月さんのこころ シリーズ その151
季節は21日(木)二十四節気の「大寒」を過ぎ、24日(日)上伊那管内の8市町村では「トリ」を飾る辰野町の消防出初式が行なわれ、知事祝辞を代読させていただきました。
辰野町消防団は、昨年7月26日(日)に諏訪市 「諏訪中央公園スポーツ広場」で開催された「平成27年度長野県消防ポンプ操法・ラッパ吹奏大会」において、第1部ポンプ車操法の部で第3位、ラッパ吹奏の部で優勝(2連覇)の栄冠に輝きました。
こちらの記事 2015年8月3日 辰野町消防団!県ラッパ吹奏大会2連覇
式典終了後、辰野町消防団第7分団による恒例の梯子乗りが披露されました。加賀鳶火消の伝統を受け継ぐ見事な空中芸に盛んな拍手が贈られました。
先日の記事 2016年1月27日 新春出初式 その2
昨年の記事 2015年1月31日 富貴浮雲に 【井月さんのこころ99】
辰野町は、昭和30年4月1日に旧辰野町と旧朝日村との合併による新町発足から昨年でちょうど60周年の還暦を迎えました。
こちらの記事 2015年6月20日 蛍の光と還暦に 【井月さんのこころ119】
第7分団は、旧朝日村であった平出区の分団です。
三省堂の「辞林」によれば、「加賀鳶」の解説は、「江戸時代、加賀の藩主前田家の江戸藩邸に召し抱えられた火消し。体つきが大きく,顔立ちのよい者をそろえ美麗な装束をつけさせた。」 とあり、「鳶の者(鳶職)」の解説には、「[鳶口を持っていることから]①江戸時代の消防夫、火消し人足 ②土木、建築工事に従事する職人。鳶職。」 とあります。
現代の「鳶職」は建設現場で高所作業を担う専門職を指しますが、御柱祭でも建御柱(たておんばしら)の花。祭りのフィナーレで、「鳶職」が柱の端(はな)に乗って、垂れ幕や楠球を割って、ロープを外して拍手喝采を浴びながら、降りてくる姿は絵になります。
7年に一度の今年の「伊那御柱」(辰野町にある宮木諏訪神社、三輪神社、法性神社の三社同時開催)は、4月23日(土)から25日(月)までの3日間開催される予定です。
写真:伊那合同庁舎県民ホールに展示されている「鷹の剥製」
ところで鳥類の「鳶(とび)」は、タカ目タカ科に属する猛禽類で、「鷹(たか)」や「鷲(わし)」と生物学上は同じ種なのだそうです。
井月さんが詠んでいます。
旭(ひ)は浪を離れぎはなり鷹の声 井月
以下、この句の評釈について、井上井月研究者である竹入弘元氏の「井月の魅力 その俳句鑑賞」(ほおずき書籍)から引用させていただくと・・・、
明るく開けた海岸、夜の闇が次第に薄れ、平穏で静かな朝を迎えた。今しも海の彼方から昇る朝日が海面を輝かし、浪を離れようとしている。折から雄姿を現わした鷹の高らかな鳴き声。
今日も賑やかな活動が始まる。鷹にもいろいろ種類があるが、はやぶさの類か。井月の若い時の作であろう。大きな句だ。
(鷹・冬)
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