2023.08.23 [ その他 ]
「振りマンド」と「百八灯」(ひゃくはってい) 伊那市西箕輪大萱
お盆には、故郷に里帰りした人もいるでしょう。
また子供や孫が帰ってきたという方も、いるかと思います。
お盆は、亡くなった先祖をイエにお迎えし祀る行事でもあります。
その乗り物として、盆棚にきゅうりの馬や、ナスの牛を作って飾った人もいるのではないでしょうか。
ご先祖様は、家の前で焚く迎え火のマンド(万灯)を目印に帰るとも言われます。
このマンドですが、上伊那ではワラ、麦ワラ、白樺の皮などですが、地域によっては松の根、松葉、桧の皮、樺の皮等、様々な物が使われます。
13日に焚くのは、迎えマンド
16日に焚くのは、送りマンド
等という呼び方もあります。
16日の夜に、伊那市西箕輪大萱地区で「百八灯」という行事が行われました。
会場の大萱グランドは、高速の伊那インターチェンジの北西1km程の所にあります。
始めに「振りマンド」があります。
数日前から地元の小学校5年生・6年生が、ワラでマンドを作ります。
まず長さが70~80cmの稻ワラを、直径10cm程に束ねます。そこに1.5m位の縄を付けてできあがり。
マンドの先端に火を付けると、縄を持って頭の上でぐるぐると回すのです。
マンドの明かりが暗くなった辺りを照らし、パッと明るくなります。ワラの燃える音が
パチパチとして、とても迫力があります。
マンドは小5・小6の子供達が、交替で回します。61個作ったそうですが、30分ほどで全て焚きました。
その後に「百八灯」です。大萱のグランドの周囲に張り巡らした
針金に、108個の布球が取り付けられています。
布球は直径10~15cmの金網に包んだ布に、70cm位の針金がついてます。それが2m程の高さに張ってある針金に、かけてあるのです。
布には、灯油が滲み込ませてあります。
この布球は、大萱地区の各家で交替で作られます。
108の布球に点火するのは、中学生です。
全てに点火されると3面に延びる針金の周りが、明るくなります。
一つ一つは大きな人魂の様ですが、たくさん並ぶと、明るくて楽しいお祭りの様です。
「百八灯」は、江戸時代後期から行われているそうです。
有名な京都の大文字と同じ、地域共同で行うお盆の送り火の行事です。
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