2015.01.31 [ 歴史・祭・暮らし ]
富貴浮雲に 【井月さんのこころ99】
井月さんのこころ シリーズ その99
25日(日)上伊那8市町村のトリを飾る辰野町の消防出初式が開催され、知事祝辞を代読させていただきました。
辰野町消防団は、昨年7月27日(日)「信州山の日」に、北アルプスの麓 大町市運動公園において開催された「第56回長野県消防ポンプ操法大会」及び「第23回長野県消防ラッパ吹奏大会」において、第1部ポンプ車操法の部で第3位、ラッパ吹奏の部で優勝の栄冠に輝きました。同大会では、宮田村消防団も第2部小型ポンプ操法の部で第3位に入賞するなど上伊那代表チームの健闘が光りました。こちらの記事 2014年8月5日 県消防ポンプ操法・ラッパ吹奏大会で大活躍!
式典終了後、辰野町消防団第7分団による恒例の梯子乗りが披露されました。加賀火消の伝統を受け継ぐ見事な空中芸に盛んな拍手が贈られました。
同25日千秋楽を迎えた大相撲初場所で横綱白鵬は「危なげなく」連勝を重ね、歴代最多の33回目優勝を全勝で飾りました。故・大鵬親方の優勝記録32回を抜いて前人未到の大記録の達成です。今回の優勝額は、佩刀の堂々たる見事な立ち姿。
白鵬や太刀持ち睦月の金字塔 青巒
28日(水)、木曽郡上松町出身で昨年のアマチュア横綱及び学生横綱の二冠を達成した東洋大学4年の大道久司選手が阿部知事を表敬訪問し、長野県スポーツ栄誉賞を授与されました。大道久司選手は、大相撲の出羽海部屋へ入門し、幕下10枚目格付け出しで春場所(3月場所)デビューする予定とのことです。郷土出身力士として大いに活躍してほしいと思いますし、木曽復興の励みにもなるものと期待しています。
平成23年に50回忌であった我が祖父(徳量院徹巌亮新居士)は、大の大相撲ファンで、自らも神社の祭礼の際に奉納相撲を取っていたそうで、「東京角力協会」の相撲免状が額に入れられて座敷に飾られていた記憶があります。四股名は「信濃山新九郎」でした。
さて、光陰矢の如く過ぎて、1月も過ぎ去ろうとしています。井月さんが、寒さの中で次のように詠んでいます。
浮雲気な富は願はず紙衾(かみぶすま) 井月
この句の評釈について、井上井月研究者である竹入弘元氏の「井月の魅力 その俳句鑑賞」(ほおずき書籍)から引用させていただくと・・・、
「浮雲気」はあぶなげと読むようだ。いかさまや信用できない手段による富は願わない。たとえ貧乏して夜の寒さを防ぐのに紙衾を着ようとも。
紙衾は、和紙を外皮に藁しべや古綿などを入れた粗末な蒲団で、貧しい人が用いたが、昔の俳人はよく句にしている。
井月は紙衾さえ持たなかった。井月の信念が窺われる。
(紙衾・冬)
出典は、『論語』の述而(じゅつじ)第七にあります。
子曰 飯疏食飮水 曲肱而枕之 樂亦在其中矣 不義而富且貴 於我如浮雲
子曰く、疏食を飯い、水を飲み、肱を曲げて之を枕とす。楽しみ亦た其の中に在り。不義にして富み且つ貴きは、我に於て浮雲の如し。
富貴浮雲
「人としての道を逸脱して金持ちになり高い地位を得たとしても、その富と地位は、浮き雲のようで、儚く頼りにならないものである。」と、至言であります。
富貴は、『論語』の顔淵(がんえん)第十二にも登場します。
富貴在天
司馬牛憂曰 人皆有兄弟 我獨亡 子夏曰 商聞之矣 死生有命 富貴在天 君子敬而無失 與人恭而有禮 四海之内 皆兄弟也 君子何患乎無兄弟也
司馬牛憂えて曰く、人は皆兄弟有り、我に独り亡し。子夏曰く、商之を聞く。死生命有り。富貴天に在り。君子敬して失う無く、人と与わるに恭しくして礼有らば、四海の内、皆兄弟なり。君子何ぞ兄弟無きを患えんや。
このブログへの取材依頼や情報提供、ご意見・ご要望はこちら
上伊那地域振興局 総務管理課
TEL:0265-76-6800
FAX:0265-76-6804