信州森林づくり応援ネットワーク

あなたにちょうどいい森林との付き合い方を探す場所、それが「信州・森林づくり応援ネットワーク」です。楽しみ方を発見すれば、森林との距離はグッと縮まりますよ。信州には、森や山などの自然に魅了されている多くの人がいます。そんな人々が、きっかけのほしいあなた、つながりを求めているあなた、スキルアップしてみたいあなたをご案内します。信州の木を使った取組の話題もありますよ。

全国的に注目されているカラマツ

長野県林業総合センター 指導部です。

日本の林業を支える木といえば、何を思い浮かべるでしょうか。

全国で最も多く植えられた樹木といえばスギですが、長野県で最も多く植えられたのはカラマツです。

カラマツは長野県を代表する林業樹種であることから、当センターでは信州大学や中部森林管理局など関係機関と連携して「カラマツ林業等研究会」を運営し、毎年研究発表会を開催しています。

私たちから見れば身近なカラマツですが、全国的にはあまり知られていませんでした。ところが最近、その価値が高く評価され、全国でもスギに続く素材生産量となってきました。そこで今年度から、国の研究機関である森林総合研究所でも「カラマツの安定供給と持続的利用」に関する研究を始めました。

平成29年2月7日に、カラマツ林業の歴史を振り返り、研究の現状と今後に研究すべき課題を考える公開シンポジウムが森林総合研究所主催により長野市で開催されました。

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会場には、カラマツへの期待が高まっていることを反映して、県内の林業関係者だけでなく、北海道や岩手、山梨などカラマツが植えられている寒冷地域を含め、約150人が集まり、会場は熱気に包まれていました。

シンポジウムの前半では、「カラマツとカラマツ研究のあゆみ」と題し、カラマツ林業及びカラマツ材利用の先進地域として北海道と長野県から2名ずつの発表者が登壇しました。

本県からは、苗木づくりから造林、間伐、そして利用までカラマツ林業全般を幅広く研究されてきた当センターの武井元所長と、建築用材として使えるカラマツをつくるために必要な乾燥技術の開発に取り組んできた吉田研究員(当センター前所長)が発表しました。

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武井元所長からは、明治時代に始まったカラマツ林業が伊那市高遠出身の中村弥六によってヨーロッパへも広められ、ドイツなどでは現在も植林されていることなどカラマツ林業の長い歴史が紹介されました。

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一方、吉田前所長からは昭和50年代から始まった建築材へのカラマツの研究の成果と利用開発の歴史が紹介され、昭和50年代後半に体育館の壁板として初めて使えるようになったことに始まり、現在では大きな建物を支える梁や桁に使える「信州型接着重ね梁」を開発することが出来たとする研究開発の歴史が紹介されました。

北海道からは、明治時代に長野県から持ち込まれたカラマツが炭鉱の坑材として重宝した歴史や、梱包材として現在も非常に多く利用されている現状に加えて、建築用材への利用をめざして開発したコアドライと呼ばれるカラマツの角材も紹介されました。

その後、森林総合研究所で現在進行中のカラマツに関する3つの研究についての紹介がありましたが、このうちの「カラマツ種苗の安定供給のための技術開発」と「優良苗の安定供給と下刈り省力化による一貫作業システム体系の開発」については、本県も共同で研究を進めている内容で、カラマツを研究する舞台として本県が良い場所であることを改めて認識しました。

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シンポジウムの後半では、「カラマツ研究のこれから」と題し、カラマツの持続的利用と安定供給に向けてどのような研究を進めていけばよいのかについて、吉田前所長も含めた7名のパネリストと、会場に集まった参加者の間で意見交換が行われ、寒冷地での成長が早く、強度も高いカラマツは将来にわたっても期待が持てる樹種であることが改めて示され、過去の取組を参考に将来に向けて積極的に取り組んでいくことが重要であるとまとめられました。

今回のシンポジウムで、カラマツが全国的にも注目を浴びていることが改めて認識できました。当センターでもカラマツは最も重要な研究課題ととらえており、今後も精力的に研究を進めながら、長野県林業の活性化につなげていきたいと考えています。

 

〈本件に関する全般的なお問い合わせ先〉

林業総合センター指導部

TEL:0263-52-0600

FAX:0263-51-1311

メール:ringyosogo@pref.nagano.lg.jp

 

 

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