2022.02.17 [ 長野地域の【自然】 ]
山林内の建設工事現場で行われている取り組みの紹介
林務課のSです。
林務課では山の保全を目的として、土の切り盛りをして土砂崩れのあった場所をなだらかに整地して緑に戻したり、コンクリートなどで石垣のような壁をつくったりすることがあります。
(治山工事の例)
工事はこんな感じです。
▲集落のすぐ上にある荒れた山林(小川村内2020年4月撮影)
▲荒れた山林を治した状況(小川村内同箇所、2020年12月撮影)
今回は、山林内の建設工事現場で行われている取り組みについて紹介します。
なお、建設工事には土木、建築などさまざまな種類の工事があり、今回は一担当者が感じたことをまとめたものとして参考にとどめていただければと思います。
建設工事現場では、「施工管理」という言葉を耳にします。
「施工」とはものをつくること。
「施工管理」とはものを「安全に」「適正な価格で」「良い品質で」「着実に遅れないで」つくるためにいろいろな調整やマネジメントをすることを言います。
「施工管理」の主な仕事は「安全管理」、「原価管理」、「品質管理」、「工程管理」と言われています。
近年では、「施工管理」や「現場監督」をするためには、そうした現場のことだけではなく、それらにプラスして「環境対策」や「最近の建設業の動向」をふまえていかないとなかなか良い施工管理はできないといわれるようになりました。
「環境対策」とは、騒音を発生させたり、有害物質を放置したりすることのないように配慮し、周りの皆さんにご迷惑をおかけしないようにすることをいいます。平成の30年間でさまざまな環境にかかわる法律が整備されてきました。
(騒音規制法、水質汚濁防止法、土壌汚染対策法など)
現在、県の地域振興局では、「環境・廃棄物対策課」や「総務管理・環境課」という課が担当しています。
▲濁水対策(オイルを吸収するマットの現場への備え付け)
(小川村内2020年9月撮影)
「最近の建設業の動向」としては少子高齢化により、建設業も担い手の確保が一つの課題となっています。
技術者不足を解消するために「技術者制度の見直し」、「労務単価の引き上げ」、「社会保険未加入対策」、「週休2日制の試行」など、業界を挙げて取り組まれているところです。
▲工事現場の掲示(退職金の積み立てや労災保険の掲示)(小川村内2020年9月撮影)
建設事業を取り巻く状況は、社会情勢などの変化に伴い法律や技術面で様々な変化があります。令和元年(2019年)に現在及び将来にわたる建設工事の適正な施工や品質確保、その担い手の確保を目的として「品確法」、「建設業法」、「入契法」の一体的な改正がされました。
このような情勢にも対応して、工事現場は質の高い仕事をしようとするさまざまな人々(工事を注文する人、工事を請け負う人、現場で作業をする人、材料を供給する人、廃材を処分する人、それらの皆さんを支援する人など・・・)がかかわり、支えられています。
そして、これからも支えられていくのだと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました。
■参考・引用文献
・『管理技術者必携2019年度版 監理技術者講習テキスト』(一社)全国建設研修センター,2019
・「担い手三法の改正について」国土交通省、2020年9月(国土交通省ホームページ)
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