2020.11.16 [ 林業総合センター ]
高齢の天然林から学ぼう ~森林・林業セミナー~
長野県林業総合センター指導部のぶらた森です
落ち葉の季節を迎え、当センターが実施している「森林・林業セミナー」も後半戦に入ってきました。
この研修では、前半で森林・林業の基礎的な知識や技術を学んだ後、先進地への視察として、県内では味わえない森林・林業の姿を感じてもらうため、ここ数年は岐阜県への宿泊研修を行ってきました。
しかし、今年度は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から宿泊での研修やマイクロバスを使った県外での研修を中止しています。
こうした中でも出来るだけ良い森林を見学する機会をつくってあげなければということで、今年度は樹齢300年を超えるヒノキの天然林を観察できる上松町にある赤沢自然休養林へ出かけることにしました
今回は、木曽森林管理署のご厚意で特別な許可をいただき、めったに見ることができない学術参考林に指定されているヒノキの天然林の見学が実現しました。
今回は森林・林業を学ぶ研修生のためにお願いをして、特別な許可を頂くことができましたので、木曽森林管理署の指導の元、立ち入り禁止区域へと歩を進めます。
見学のハイライトは、なんと樹齢300年を超える天然ヒノキが林立する千本立から奥千本
特に奥千本では、1984年から継続して森林構造の変化が調査されているなど、天然ヒノキ林の動態が観察できます。今回は、学術研究路沿いにある試験地にも立ち寄り、実際に教えていただいた研究の成果の紹介をさせていただくとともに、10年ほど前に発生した集団枯損の現場にも立ち寄りました。
集団枯損が発生した現場では、被害が拡大することがかなり心配されていましたが、案内を頂いた木曽森林管理署の森林官にお聞きすると、幸いなことに収まったとのことでした。
普段は立ち入ることが難しい現場で、出来るだけ時間をかけながらヒノキの天然林の様子を観て、感じていただきながら、自然の不思議さや豊かさを考えてもらい、実際に私たちが手掛ける林業にどのように反映できるのかを考えてもらう時間としました。
雲一つない快晴の日に見学することができましたので、山の美しさとともに豊かなヒノキ林の姿を楽しむことができたのではないかと感じております
今回、無理を言って立ち入りにご協力をいただくことができた木曽森林管理署の皆様と、ご案内していただいた駒ヶ岳森林事務所の森林整備官の方に感謝いたします。
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