2018.11.29 [ 林業総合センター ]
安全第一を徹底しよう~森林・林業セミナー~
林業総合センター指導部です。
森林林業に関する知識と技術を習得する森林・林業セミナーも研修終盤にさしかかり、専門技術者として最も重要な安全作業の重要性を感じてもらう実習を行いました。
今回研修生に与えた課題は、写真にある倒れ掛かったサワラの木。
直径は50㎝を超えており、水が湧くような湿ったところに生えていたのですが、強風で根が浮き上がり、倒れ掛かったところで隣の木に寄りかかった状態になっていました。
この木のまわりには、同じような方向に倒れ掛かった木がこの木を含めて4本あり、今回はそれらをすべて安全に伐採させることを目的としました。
自然を相手に大きくて重い樹木を扱う林業では、一つとして同じ条件と言うことがないため、常に安全を意識していないと、ちょっとした不注意が大事故につながってしまいます。
そこで、どのような順番で、どのような方法で木を伐るのか?をまずはじっくりと考えてもらいます。
森林・林業セミナーに来る受講生は、様々な経験がある人が多く、林業現場に慣れた人から、あまり慣れていない人までさまざまです。普段の作業であれば、上司なり経験者の意見に単純に従ってしまうことが多いのですが、今回の研修では、経験の少ない人からも意見を出してもらい、全員が納得する方法で伐採に入ってもらいました。
伐採の作業についても、それぞれの木を見て、安全な作業を行うだけでなく、せっかくの機会だから経験値を高めるようにできないか?と考え、慣れていない受講生が伐採する際には、近くで経験者が見守りながら指導を行う姿も見られました。
また、安全作業を意識してもらうため、けん引具を使い、受講生全員がけん引具の使い方を覚えられるようにも配慮しました。
まだまだ、事故が多いと言われる林業界ですが、効率性を重視せず、より安全な方法で伐採することが、未来の林業の発展には欠かせないものだと思っています。
こうした研修を通じて、安全作業への意識が高まり、労働災害を起こさない専門技術者として県内の林業を支えて欲しいと思っています。
<本件に関するお問い合わせ先>
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メール:ringyosogo@pref.nagano.lg.jp
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