2017.09.27 [ 林業総合センター ]
架線集材が注目されています
林業総合センター指導部です
山奥から木材を運び出すために、ワイヤロープを空中に張り上げ、集材機を使って運び出す架線集材が不可欠です。
しかし、この作業では木材を空中につるしながら、山奥から道端まで運ぶため、安全作業に十分配慮する必要があり、「林業架線作業主任者免許」を保有した「林業架線作業主任者」を選任しておくことが義務付けられています。
林業総合センターでは、林業架線作業主任者免許の取得に必要な知識や技能を学ぶ「林業架線講習」を実施しており、今年度も9月4日から始まりました。
講習では、林業架線の動きを理解することが必要なことから、まずは模型を使って構造を理解します。この後、実際に架線の設置撤去や集材装置の運転、さらには安全に木材を山から下すために必要な力学的な計算など14日間にわたって、作業主任者が覚えておくべき多くの項目を学び、最終試験に合格すれば修了証が交付されます。
急峻な山に囲まれた長野県では、山の中に道を開設できない場所も多く、架線による集材は必要性が高いのが実態です。架線による集材作業は、木材を搬出するための架線を山の中に張り巡らすため、架線の設置・撤去に手間がかかってしまい、作業効率の面で課題があります。そこで、林野庁でも機械メーカーと共同で、架線作業の効率を高めるための機械の開発を進めています。
このほど、平成26年度から開発を進めてきた改良型の自走式搬器が製品化され、県内で試験操業が行われているというので、現場へ出かけてきました。
自走式搬器とは、木材を運び出す搬器にエンジンを取り付けて、リモコンで操作するもので、35年ほど前から使われています。一般的な集材機に比べて、設備が簡単で設置や撤去にかかる手間が少なく、作業の人員も少なくて済みますが、吊り下げ能力が低いことや移動速度が遅いことが課題で、短距離の利用がほとんどでした。
今回の製品では木材の吊り下げ能力や搬器の移動速度を向上させることで、搬出作業の効率化を図った製品が完成し、試験操業が県内で行われているとのことから、作業の工程を調査してきました。
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