2019.12.18 [ 林業総合センター ]
森林・林業セミナーの成果を残す
長野県林業総合センター指導部です。
森林や林業に関する知識と技術を学ぶ「森林・林業セミナー」では、30日間にわたる研修の最後に、自分自身が研修で得た何かを残しておくためのグループワークの時間を設けています。
30日間の研修では、木の事や森の事、そこから生み出される木材利用や、山菜・きのこなどの知識から、森林に手を入れるために必要となる伐採技術など、幅広く学ぶことができます。とはいえ、一つ一つの学びの時間は充分に確保できないため、受講生の中には「この部分をもう少し学びたかった」という想いが残ってしまいます。
そこを少しでも解消できればと、研修の成果を残すことを目標として、グループワークを実施しています。
受講生それぞれの想いを持ち寄り、同じような想いを持つ者同士で、作業内容を整理する企画会議からスタート。
今年は、19名の受講生が3つのグループに分かれて、それぞれの想いを残す時間となりました。
一つ目のグループは、「もっと伐採技術を磨きたかった」との思いで集まった5名。業務として樹上伐採も行っているベテランメンバーを中心に、初心者までが集まり、普段は実践できないような伐採作業をグループで工夫して、安全に実施することを目指して実践。
どのような作業を実施したのかという成果を残すため、すべての伐採作業をVTRで撮影しました。
ここで撮影したVTRの中には、当所の安全講習などの研修で紹介できそうな技術もあり、文字通り成果を残していただきました。
二つ目のグループは、燃料として木材を利用することに着目し、火おこしから火を活かせるような設備を整備したいとして6名が集まり、火おこしの実践と、憩いの場となるようなかまどづくりを行いたいと提案。
インターネットで調べた火おこし装置を自作し、材料を集めて火を起こすとともに、火を囲んでみんなが集まれるような空間を作ることを実践しました。
参加者の知恵と工夫で、かまどに適した木を伐採するところから作業をはじめ、かまどのまわりで憩いの空間ができるようにと、火を適正に管理するためのかまども自作。単にかまどと作っただけでは、ゆっくりできないからと、かまどのまわりにテーブルを配置し、それに合った椅子も並べ、なんとか自分たちで熾した火を囲む時間を取ることができました。
三つ目のグループも、机といすを作りたいと集まっていました。林業総合センター内にある森林学習展示館には、キャンプ施設があるのですが、野外でご飯を食べることができるようなベンチやテーブルがないと感じた受講生が、チェーンソーで板を製材し、「本格的なテーブルと椅子を作りたい」と提案。
板を作るならば巣箱を作りたいというメンバーと共同でグループを作り、合計8名で作業に臨みました。
チェーンソーを使ったログミルで板を作り、この板を使って、巣箱やテーブルを作成。
キャンプ施設の前にしっかりしたテーブルとベンチが完成しました。
完成後、受講生と一緒に現場を回っていると、地元の片丘保育園の子どもたちが遊びに訪れており、受講生がつくったベンチやテーブルで遊んでいる姿を目にすることができ、作成に携わった受講生もうれしそうでした。
全ての受講生が研修のつめ跡を残して、30日間の森林・林業セミナーも修了し、19名の修了者に修了証を手渡しました。
森林・林業セミナーに参加された皆様の今後のご活躍を祈念しております。
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