2019.12.06 [ 林業総合センター ]
みんなで学ぶ安全な伐採~森林・林業セミナー~
林業総合センター指導部です。
森林林業に関する知識と技術を習得する森林・林業セミナーも研修終盤にさしかかり、専門技術者として最も重要な伐倒作業における安全作業の重要性を感じてもらう実習を行いました。
今回研修生に与えた課題は、皆伐地と道路との間に生えていて道路側に傾きかけているアカマツ。
この場所では、林業に従事し始めた若手技術者を育成するため、立木の伐採実習を行っていました。ところが、幹が太いことや、道路側に重心が傾いていることなどから若手技術者の実習では伐り残されていました。
この木を道路に掛からず、安全に伐採することをみんなで考え、実行してもらいました。
森林・林業セミナーに参加している受講生は、様々な経歴があり、必ずしも林業の従事経験が豊富な方ばかりではありません。
中には、セミナーを契機にチェーンソーを初めて触るという初心者もいます。普段の山仕事では、どうしてもベテラン技術者の言うことをうのみにしがちですが、経験者ほど基本を忘れて自己流に陥ってしまう傾向もあるため、全員で話し合いを行い、全員が納得する形で伐採作業を行いました。
安全に木を倒す意識を高めるため、伐採にあたっては、確実に倒れるようにけん引具を使い、受講生全員がけん引具の使い方を覚えられるようにも配慮しました。
いざ、木を切り倒すことに際しても、経験の少ない受講生が伐採作業を行う時には、経験者が丁寧に声をかけながら指導を行い、全員で事故防止への意識を高めました。
自分達の体重よりもはるかに重い1トンを超えるような大きさの木が相手となる林業の世界では、安全に伐採を行うことが何よりも大切です。
研修を終えた研修生のレポートからも、「初心を忘れて危険に気づいていないことが分かった」とする経験者や、「プロの方の指導を受けることができて勉強になった」とする初学者の声もありました。
一方で、「チェーンソーになれていないのでうまくいかないのは当然だが、ベテランの方が理由もなく答えを言ってしまうのが気になった。どうしてうまくいかないのかを自分たちでじっくり考えたかった」とする受講生もいたことから、安全な作業への理解をより丁寧に深めていく工夫が私たちにも求められていると感じました。
まだまだ、事故が多いと言われる林業界ですが、こうした研修を通じて、安全作業への意識が高まり、労働災害を起こさない技術者として羽ばたいて欲しいと思います。
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