2016.07.26 [ 林業総合センター ]
山村を理解するために
林業総合センター指導部です。
当センターでは、地域の森林林業現場で主体的に活躍する人材として期待される長野県林業士の育成に向けて、「林業士入門講座」を開設しています。
この講座については、昨年度のブログでもご紹介していますが、この7月13日から平成28年度の講座がはじまりました。
初回の講座では、「長野県林業士とは何か」「長野県林業士のあるべき姿」について、先輩の長野県林業士や、長野県林業士の認定審査に携わる先生との議論を重ねました。
この中で、強調されていたのが、地域の林業を支えるためには、森林資源を頼りにしている山村を理解する必要があるということ。
そこで、山村を理解することを目的として、7月15日に下水内郡栄村に出かけてきました。
栄村にお邪魔した目的は、15年以上にわたって栄村に入り地域住民と協働しながら山村の研究をすすめておられる中央学院大学の白水智教授から直接お話を頂くこと。
白水教授からは、「山村は過疎地の象徴のようにいわれるけれども、山村にある多様な資源は、林業をはじめとした様々な産業とつながっていて、住民がこれを活かしてきた」ことを、秋山郷をはじめとした各地の山村で調べた古文書などから紹介していただきました。
「山村には林業しかない」と思っていた研修生も、改めて「山村の豊富な資源」を知ることになったと思います。
ここで、白水教授が栄村で地域の皆様と取り組んでいる活動を紹介します。
栄村での白水教授の調査に同行すると、地域に残る貴重な古文書について、所有者をはじめとした地域の人と一緒に読み解きながら、住民からの情報を丁寧に聞き取り、地域の実態を理解するために努力されていると感じます。
こんな姿は、著書「古文書はいかに歴史を描くのか」「知られざる日本」などからも、うかがい知ることが出来ます。
こうした白水教授の住民に寄り添った活動のおかげで、平成23年3月に発生した長野県北部地震で被害を受けた住宅や土蔵に残されていた文化財の救出が出来ました。
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