2011.12.20 [ 北安曇/アルプスレポ ]
間伐の現場で働くみなさん
<北アルプス山麓レポート④>
長野県北安曇地方事務所が発注した森林整備の間伐作業が、現在、北安曇郡池田町広津の山の中で行われています。コナラが主体の広葉樹の山です。1ha当たり1,450本の木が立っている山を伐採して、850本の山にする計画です。
場所によっては、暗くなっていました
その現場で作業をしてくれているのが、京都出身のAさん(40代)、ブラジル出身のBさん(40代)、そしてCさん(40代)です。その3人の方々にお話を訊きましたので、報告します。
一番上の写真の左から現場代理人の方、Aさん、Bさん、Cさん
まず、みなさんに林業作業員の仕事に就くことにした動機を訊きました。AさんとBさんは、「ただ何となく。」、Cさんは、「山が好きだから。」との回答でした。
仕事に就いてからの印象は、みなさん「きつかった。」とのことでした。最初の1年ぐらいは、何度も辞めようと思ったそうです。
それが続いているのは、「身体が慣れてきたから」だそうです。今では、「サラリーマンや工場で働くよりもいい。」とCさん。因みに、Cさんは、造園の仕事から転職して4~5年経つそうです。Aさんは、10年以上のキャリア、Bさんは2年半とのこと。
Cさんいわく、「若い人では難しいと思う。人生を経験した人でないと務まらない。悟りを開かないと。」。若い人たちは遊びたい盛りだから、なかなか続かない。夜更かしもする。本当にあった話として、「現場の作業で身体が疲れて彼女に会えないから」との理由で辞めていった若者もいたそうです。
みなさんも遊びたい気持ちはあるが、仕事とのバランスを取っている、とおっしゃっていました。「悟りを開く」とは、そういうことなのでしょう。
今の職場で活き活きとした姿のみなさんでしたが、「生活のゆとりが欲しい。」との言葉は、重みがありました。
それでも、みなさん、「これからも続けていく。」と話してくれました。
現場の作業は、間伐して棚状に整理してもらっています。目的は、次のとおりです。
① 土砂の移動を防止する。
② 種子が留まり、生育基盤となる。
③ 流木となって被害を助長させない。(今年の紀伊半島の台風災害のようにしない)
④ 森林所有者が山へ入りやすくする。(山への関心へつながる)
みなさんからも「今後の作業をする上でも、整理しておくことは、より安全に後の仕事を行うことができる。」と言っていただきました。
この3名の方のお話は、これから林業の現場に就きたい、と考えていらっしゃるみなさんに参考になるのではないでしょうか。同じような仕事をされている方からのコメントがあると、有難いです。
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