2019.10.10 [ 林業総合センター ]
現場で学ぶ森林・林業のすがた
長野県林業総合センター指導部です。
森林や林業に関する幅広い知識と技術を学ぶ「森林・林業セミナー」では、林業総合センターの敷地内における研修だけでなく、県内外の現場を見ることも行っています。
9月4日の研修では、様々な森林づくりの姿を学ぶため、長野市にある大岡県有林とその周辺を訪れました。
研修の最初に訪れたのが、大岡県有林の近くにある樋知大神社。
参道には立派なスギ並木が並んでいますが、周囲はサワグルミやトチノキなどの巨木が林立しており、社殿奥の斜面には、ブナの天然林も見られ、社叢全体が長野市の天然記念物に指定されています。
普段の山仕事では、間伐の現場や造林地など自分たちの先祖が育ててきた人工林や薪炭利用をしていた広葉樹林に出かけることが多いですが、こうした天然林から学べることも多いです。今回の研修では、天然林の周囲に広がる広葉樹林やカラマツ人工林を観察しながら、どのように山づくりを行っていけば良いかを考えてもらいました。
特に、県内で最も多く植えられてきたカラマツの人工林は、合板需要が拡大するなど近年伐採の機運が高まっています。
このため、カラマツを皆伐する動きも見られますが、次の森林をどのように整備していけば良いのかも考えてもらうことが大切です。そこで、大岡県有林の一角にある7年生のカラマツ林に入って、みんなで観察してもらいました。
ここは、2011年3月12日に発生した長野県北部地震の復興住宅に使っていただくことを目的として、カラマツを皆伐した翌年に、カラマツを再び植えて育てている林で、人工林造成の姿をじっくりと観察しました。
林業の現場で、間伐などの作業を行っていても、自分たちが手をかけた森がどのように変化していくのかを知る機会は少ないと思います。こうした機会を通じて、森づくりを考えていくことがとても重要です。
森林・林業セミナーでは、野外に出る機会に、森林をどのように観ていけば良いのかを受講生と共有しながら、12月までのセミナーを続けています。
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メール:ringyosogo@pref.nagano.lg.jp
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