商工観光課の伝統的工芸品担当です。
長野県では、この4月に「長野県の美しい伝統的工芸品を未来につなぐ条例」が施行され、県として伝統的工芸品産業を振興していきます。
ということで、このブログでも不定期に管内の伝統的工芸品やハンドクラフトに関する情報をお伝えしていきます。
第一回目は、安曇野市の「天蚕」(てんさん)についてご紹介です。6月30日、「安曇野市天蚕センター」にお伺いし、天蚕飼育の歴史や実際に天蚕糸を使った着物の展示を見せていただき、また、隣の工房での機織りの様子を見学させていただきました。
「天蚕」はカイコの中でも野生のカイコで、江戸時代より飼育されてきました。天蚕からとれる「天蚕糸」は、絹糸より軽く、柔らかい素材です。
特徴は何と言っても、萌黄色の独特な光沢を持っていること!実際に見てみると、思わずため息が出るような美しい光沢をたたえており、まさに「繊維のダイヤモンド」の称号がピッタリです!
お話を聞いた安曇野市天蚕振興会の田口会長によると、最近は県外からも天蚕を使った作品制作に興味を持ってくれる人が増えている一方、天蚕の生産量自体が少なくなっているとのこと。飼育には苦労が多いとのことですが、あの美しい繭を見てしまうと後世に受け継いでいかないと、という気持ちがわいてきました。安曇野市天蚕振興会では後継者育成も行っています。2年制の「機織教室」を開講していましたが、現在は講師不在のため休講中です。代わりの講師が見つかり次第再開するそうです。
天蚕糸で織った実際の作品を見せていただきましたが、やはり絹糸とは全く違う光沢で美しいの一言です!
安曇野市天蚕センターでは販売も行っており、着物一着〇百万円は手が出ませんがショールは品質に見合った手の届く価格なので売れているそうです。きっとお気に入りの商品があるはずです。
ぜひ皆さんも歴史を感じ、実際に手に取っていただき、天蚕の世界に触れてみてください!
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