2021.10.04 [ その他 ]
ICTでサルの群れの動きをつかもう
木曽地区野生鳥獣被害対策チームのMです。
農地が山に接する木曽地域では、ニホンザルによる農業被害や生活環境被害が問題になっています。住民の皆さんは、農地への電気柵の設置や、花火による追い払いなどで苦労されており、町村と県は、こうした総合的な被害対策の取り組みをいろいろな形でバックアップしています。
ニホンザルは、メスザル中心の群れで行動している動物で、この群れの動きをつかむことは、被害対策を進める上で重要です。
木曽管内では、木祖村などで、信州大学農学部等の協力で群れの行動を把握し、総合的な対策が進められてきましたが、今年度からは全町村でGPS首輪で群れの行動把握を進めることになりました。ICT(Information and Communication Technology(情報通信技術))を用いた取組です。
これは、群れの中のオトナのメスザルを捕獲してGPS首輪を装着し、逃してやることで群れの動きを把握するものです。いわゆるメスザルをスパイにして戻すような方法です。
サルに装着したGPS首輪は、受信機能により群れの位置情報を記録し、その情報をリモートで収集して群れの動きを把握していく仕組みです。開発メーカーである株式会社サーキットデザイン(安曇野市)が作成したAnimal mapというアプリを利用するとサルの群れの行動域(群れが一年間に動く範囲)や、夜に休んでいる泊り場が地図上に表示できます。
今回、株式会社サーキットデザインと、既にGPS首輪を活用した対策を先進的に実施している大町市の担当者を講師に研修会を行いました。
この研修では、木曽町で実際に収集されたサルの群れの情報をAnimal mapで操作して、どんなことができるのかを参加者で確認しました。
また、大町市の担当者からは、「しっかり群れの動きを把握できていることで対策が立てやすく、継続的にGPS首輪などの機器を活用した群れの把握を進めていく」との話がありました。
講演後の質疑では各町村から捕獲対策への活用方法などについて有意義な意見交換ができました。当地域でもこうした取り組みが進んでいくことで、サルによる被害が抑制できることを期待しています。
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