2016.02.06 [ 歴史・祭・暮らし ]
不苦者迂智(ふくはうち)に 【井月さんのこころ152】
井月さんのこころ シリーズ その152
季節は3日(水)節分、4日(木)立春を過ぎて、暦の上では既に春になりました。
1月28日(木)の午後「もりもり上伊那 山の感謝祭」を「いなっせ」6階ホールで開催いたしました。上伊那地域面積の8割を占める森林は、清らかな水と空気を育み、災害等から私たちの暮らしを守り、再生産可能な資源である木材を供給し、地球温暖化の防止に貢献するなど、重要な役割を果たすかけがえのない財産です。
地域の森林の恵みに感謝するとともに、すばらしい森林を次の世代に引き継いでいくために、上伊那山林協会、上伊那森林組合、上伊那猟友会との共催により感謝祭を開催させていただきました。
約150名の参加を得て、林業功労者の表彰と講演会が行なわれました。詳細は後日のブログ記事をご覧ください。
平成27年度「もりもり上伊那 山の感謝祭」を開催しました!
講演会では、林材ライターの赤堀楠雄氏から「木の価値を高めて林業を元気にする」と題して、国内外の先進地事例などを交えながら講演いただきました。木材流通が全国規模化し低質材の需要が高まっている今だからこそ、足し算で価値を高める「育てる」林業が成り立つように変えていくべきであり、質の良い家が建ち質の良い木が使われる好循環を生み出すことによって林業の成長産業化を目指すべきとの趣旨で、どうすれば木の価値を高められるかなど沢山のヒントをいただきました。
2月1日(月)から12日(金)まで、全国植樹祭のシンボル「木製地球儀」の展示を伊那合同庁舎2階ロビーで行なっております。
この「木製地球儀」は、21世紀最初の全国植樹祭が開催された山梨県(第52回)で、新たな歴史を築いていく象徴として作製され、開催県へ順次引き継がれており、昨年の5月17日、第66回全国植樹祭で石川県から長野県へ引き継がれ、県内の10市町や地方事務所をリレーされています。
来る15日(月)、次に展示される伊那市役所で白鳥市長へ引き継ぐ予定です。
二十四節気「大寒」の最終日が「節分」。節分の豆撒きは行ないましたか。「鬼は外、福は内。」大きな声で豆を撒き、年の数だけ豆を食べれば、体が丈夫になり風邪を引かないとされています。
豆撒きには炒った豆を使います。これは、「魔目(まめ)を射る(炒る)」ことによって「邪鬼を追い払う(祓う)」という意味があります。最近では殻付き落花生を代用することが多くなりました。
先月、井上井月顕彰会理事の細田伊佐夫先生から「北原青雲遺墨展」(1月16日~24日開催、かんてんぱぱホール)で展示された「ふくはうち、おにはそと」の書を恵与いただきました。(写真)
北原青雲先生は、高遠町出身で箕輪中学校長、上伊那書道協会長などを歴任され、平成12年に74歳で亡くなられた伊那谷を代表する書家です。
不苦者迂智 遠仁者疎途
(苦しまざる者は智に迂(うと)く 仁に遠き者は途に疎(うと)し)
厚生労働省から平成23年度「現代の名工(卓越した技能者)」の表彰を受けられた宮田村在住の染色家である細田伊佐夫先生からは、宮田の酒造店「正藤正木屋」の土蔵から発見された(訂正します。その句が発見されたのは、現在の下伊那郡高森町上市場の中村家であったとのことです。)井月さんの「夏座敷」の新句の真筆を写した色紙も昨年いただいてありますが、そのことについては、いずれ次回以降に紹介したいと思います。
さて、前々回(その150)さすらいの日々に 【井月さんのこころ150】で、井月さんの晩年、明治17年末から18年始の足取りを宮原達明先生の「漂泊の俳人 井月の日記」(ほおずき書籍)を手懸かりに追いましたが、井月さんの日記は、その前年の年末年始、すなわち明治17年1月22日(旧暦:明治十六年十二月二十四日)から始っているとのことです。
この旧暦明治十六年の年末の日記に、遡回(その46)雪積む頃【井月さんのこころ46】
で紹介した「焚火してもてなす雪の宿り哉 井月」「粟粥でつなぐ命や雪の旅 井月」などの句が記されています。
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