2015.02.21 [ 自然・山・花 ]
雪が雨に変わる頃 【井月さんのこころ102】
井月さんのこころ シリーズ その102
18日(水)まで宮田村新規指定文化財企画展が宮田村民会館で開催されており、見学にでかけました。
展示品は、「小田切家所蔵 高遠城二ノ丸厩稲荷本殿上屋及び奉納品類」。
宮田村の小田切康彦村長さん宅の庭に祭られている稲荷社は、高遠城が明治5年(1872年)に取り壊された際に移築されたものであるらしいとのこと。140年も前から大切に守り祀られてきた幟、太鼓、獅子頭などの奉納品類が公開され、「文化の鼓動」というタイトルの(株)エコシティ駒ケ岳制作の20分企画番組がスクリーンに映し出されていました。
長野県議会2月定例会招集日の18日昼『い~な上伊那 特産品フェア』を県庁10階生協特別食堂で開催しました。上伊那の地酒をはじめ、たくさんの「い~な上伊那」を持って参上し、好評でした。たくさんお買い求めをいただき、まことにありがとうございました。
県庁10階から外を見渡すと、綿のような大粒の雪が舞っていました。
(写真:H27特産品フェアの様子)
19日(木)は、二十四節気の「雨水」でした。今年は、旧暦の1月1日とも重なる遅めの旧正月でした。立春から数えて15日目頃で、空から降るものが雪から雨に変わり、氷が溶けて水になる、という意味で、啓蟄前の期間をも含めて「雨水」と呼びます。草木が芽生える頃とされ、昔から、農耕の準備を始める目安とされてきました。春一番が吹くのもこの頃ですが、春は名のみの風の寒さで、本格的な春の訪れにはまだ遠く、いわゆる「上雪(かみゆき)」と呼ばれる大雪が降ったりもします。これから三寒四温を繰り返しながら、春に向かっていきます。
さて、春先の雪を井月さんが、次のように詠んでいます。
膳椀の露きるうちや春の雪 井月
この句の評釈について、井上井月研究者である竹入弘元氏の「井月の魅力 その俳句鑑賞」(ほおずき書籍)から引用させていただくと・・・、
何か客寄りがあった後、使用したお膳やお椀を洗い清めてそのまま露を切るべく外に置く。折から早春のこととて雪がちらちら。お膳お椀の外側は黒く、内側は朱に、漆塗り。その洗い清めた美しさと、雪の清らかさと。
筆者の子供頃まではどこの家庭も一人一人のお膳に茶碗・小皿・箸をしまっておき、食事には出して食べた。
(春の雪・春)
この句は、駒ヶ根の割烹・食堂「水車」さんが製作されている今年の「井月カレンダー」の1月2月に、井月さんの真筆とともに載せられている名句です。
愚良子先生の「春日愚良子句集」には、次の「春の雪」が詠まれています。
子規若く虚子は円熟春の雪 愚良子
そこで、あちこち「春の雪」を探して見つけました。
下町は雨になりけり春の雪 子規
狩衣やはらひもあへす春の雪 子規
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